「邦題の方が良い」きっと、うまくいく penguinさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題の方が良い
何の予備知識もなく、なんとなくタイトルに惹かれて見始めた。
INTERMISSIONがある映画、久しぶり~。全編で171分、3時間近い映画だけど、映画の冒頭のエピソードがラスト近くにつながっている、伏線がすべてうまく回収されているので全編くまなく見ることが大事。
本作品のWIKIPEDIAによると主人公のランチョーを演じたアーミル・カーンはこの時44歳だったとか。そのために体をしぼり、撮影中は肌をフレッシュにするため水も毎日4リットル飲んでいたらしい。それでフレッシュになるのか??と思うけど、実際大学生を演じていても違和感なかったなー。アーミル・カーンは踊りも得意ではないそうだが、いやいやどうして、インド映画でお約束の群衆ダンスはしっかりこの映画でも出てきて、1曲に何バージョン撮影したのか、っていうくらい服を着替えて、踊ってた。また、曲がインド映画っぽい曲ではなくて、割とキャッチーなメロディラインが繰り返され思わず口ずさんでしまうような曲の連続で、話の内容、ストーリー展開のうまさ、出演者の熱意がこちらに伝わってきて、すごい感じるところがあった。
観ていてインドの若者の自殺の話が出てきて、インドの闇の部分も感じた。本作品のWIKIPEDIAでも「自殺率の高さを取り上げている」とのことで、これはこの映画を観るまで知らなかった。日本でも昔そうであった、家長である父親の言うことは絶対、長男であることのプレッシャーというのがインドで、いや多分アジア全体でもまだ残っているんだろうな。それでも父親は大事なんだね。プレッシャーの元凶である父親をある時は病院に連れていくためチームプレーで協力したり、あるときはその遺灰を脅しに使えるくらい、大事だったり。それほど大切に思っているからこそ、それがプレッシャーになってしまう。
最後に。
原題の「3 Idiots」。したまちコメディ映画祭では『3バカに乾杯!』のタイトルで上映されたらしいけど、このタイトルではたとえテレビの放映でも見る気がしなかったかも。“Aal Izz Well”(アール・イーズ・ウェル、“all is well”)「きっと、うまくいく」。このタイトルが良いね。