凶悪のレビュー・感想・評価
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産まれて初めて使います。
胸くそが悪い。
この言葉がぴったりきました。
しばらくはフラッシュバックして嫌な気持ちが続き、思い出したくない。辛い、苦しい。
まんまと監督の思惑通りの感情になり、かなり後引きました。
なに不自由なく暮らしていても、ちょっとしたきっかけで、人間悪人になりえる。
世界で一番大切な家族でさえ、荷物になるような感情が私にも芽生える事があるのだろうか?
考えただけで涙が止まりません。
もう二度とみないし、可能な限り思い出したくないですが、見なければよかったとは、口が裂けても言えない。
そんな胸くその悪い映画です。
はぁ。。。生きるって。。。苦しい。。。
高齢者問題を思うと胸が痛くなります。
最初の10分間で、すでに“凶悪”です。
凶悪という文字を映像にしたらこうなるという見本のよう。
しかし、まだまだ凶悪は続きます。
人の、特にお年寄りの命を金としか思っていない先生により、
確実に金になる方法でもって、年寄りがいたぶられながら殺されます。
観ていて、もう、はやく死になよ・・って思ってしまいました。
家族に捨てられて、家族の借金のために凶悪犯の手中にはまって
苦しめられて、苦しめられて、それでも「生きたい」
と言う被害者のお爺さんの言葉に心が痛くなりました。
その言葉に何も感じる風もなく、殺すのです。
それはもう、仕事を全うするように。
記者の妻は、記者の老母の介護がやりきれず
のらりくらりとかわす記者に我慢ができず
離婚を切り出します。
お義母さんの面倒を私一人に押し付けてと。
最終、お義母さんは老人ホームに預けられます。
この高齢化社会で、人として尊厳をもって生きていくには
どうしたらいいのだろう
映画の筋とは違うかもしれませんが、
そんなことを考えて心が重くなりました。
演技派揃いな作品。
リーリーさんと瀧さん評価あげの映画
真実は小説より奇なり
実話を元に映画化された本作。
映画を見る前に、どうしても気になって原作を読んだ。タイトル通り、その凶悪さに驚き、フィクション小説かと疑うほどの衝撃があった。
事の発端は、すでに別件殺人罪で死刑が確定している服役囚が、週刊誌記者にまだ明るみに出ていない3件の余罪を告白することから始まる。
映画の中では、ドラマ的要素が肉付けされているが、この部分が稚拙な作品にしてしまっている気がして、残念でならなかった。
記者の家庭問題や、煙たい女上司の存在など、全く必要性を感じない。
むしろ、この事件に奔走する記者の姿を描いて欲しかった。実際、取材をするにも事件の核心人物に接触することはできない。それどころか、取材の動きを悟られないように細心の注意を払い、外堀を埋めるように情報や裏付けとなる証拠をつかんでいく点などはまさにミステリー小説のよう。また、遺体を埋めた場所を聞き出すも、被告の記憶が曖昧で場所の特定ができない。それを地図・地形、風景などわずかな情報から割り出し、足を運び、絞り込む…など、十分ドラマとして引き込まれる作品になっただろうに(しかも実話)
。映画では至って軽く、サラリと描かれてしまっている。本当に残念。。。
途中退席しようかと思うこと度々…。
そんな心残りが大きく残る作品だった。
(※原作はオススメ!)
唯一、リリー・フランキーさんの温厚さと不気味さが表裏一体になった演技は素晴らしかった。
後味
現実に人間の皮を被った悪魔は居るんだな…
面白いけど、素直に面白いと言いたくないので、★マイナス1。須藤と先生役、ピエールとリリーさんの演技が自然過ぎて凄い。実話を基に…と言うのが恐ろしい。尼崎の事件もそうだが、私たちの知らないところでは、常識ではない事が当たり前のように起こっているのでは?もしかしたら、自分も巻き込まれる事だって有り得るのでは?と観終わってからが恐ろしい。
上映中は、生きている世界、彼らと思考が違い過ぎて「怖い話の映画」でしかないんだけど。私には。
劇中でもコントのようみえてしまったシーンもあった。(焼却炉に入らないってとこ)それも、「怖い話の映画」という感覚からだろうな。
引き込まれるし面白いです。実話と考えてしまうと面白いと言いたくないですが、観て損したと思う事は無い。
須藤の女はどうなったんだろう。あの人も捕まったのでしょうか?
あの人も捕まって欲しい。
瀧でかい
事件の回想シーン、瀧もリリーさんも異様な雰囲気を醸し出してて、すごく良かったんだけど、そこがメインになってしまった感がある。
もっと、記者が事件の真相に迫る描写とかあると良かったのかな。
でも結構長かったしなあ。難しいですね。
リリー•フランキー良い!
凄い怖い。タイトル通り凶悪。
瀧の服が面白い
殺人鬼の実録映画だと思ってわくわくして見たら、取材者の一歩引いた目線で描いていたのが残念だった。当事者が犯罪現場の真っただ中で感じる興奮や恐怖心を描いて欲しかった。
ピエール瀧がすごい存在感と演技力のある俳優になっていてびっくりした。服がすごいセンスで面白かった。
凶悪の二面性。
凶悪というタイトルの二面性を最後に思い知らされる。
普通の人間が事に耐えられず凶悪化する可能性を、反面教師の如く
最後まで見せつけてくるところが恐ろしい。
新潮45といえば「5時に夢中」で木曜コメンテーターの中瀬ゆかりが
編集長を務めていた頃の事件になる(さすがマリー・アントワネット)
となるとあの編集長は中瀬!?痩せてるじゃん(爆)なんて思いつつ、
死刑囚の告発による実際の事件を取り上げたある意味ノンフィクション
であるこの作品の内容はかなり重い。
ヤクザと不動産ブローカーと記者の「なすりつけ三つ巴戦」に他ならず、
自分達のしていることが分からないヤツほど怖いものはないと感じる。
本業が役者の山田に対し、リリーとピエール(なんかフランス人みたい)
が仲良し感覚で持ち込んだ演技が却って真に迫り、彼を混沌とさせる。
自分の演技があまりにヘタで死んだ方がマシ、とまで山田に言わせた
今作における苦しみが、そのまんま役柄に乗り移ったようにも見える。
休憩時間に「動物の森」でキャッキャッと遊ぶオジサン二人の演技といい、
保険金殺人の被害者である電気屋(ジジ・ぶぅ)のあの危機的演技といい、
凶悪が真面目を喰いまくってしまう存在感がかなり新鮮。
ヤクザの暴力と、それを支配する「先生」こと不動産ブローカーの
凶悪ぶりに唖然としてしまう本作だが、
最も怖さを感じさせるのは、普通の暮らしの中に蔓延っている凶悪。
ことに老人介護におけるそれは淡々としながら凄まじく描かれており、
主人公記者の家庭でも崩壊寸前にまで悪化する。
見て見ぬふりをするのも、面白がって追いかけるのも、金のためなら
魂を捨てるのも、考えてみればみな凶悪になりつつある存在である。
その掬い方が絶妙で恐ろしく、平静に訴えてくるところがなお怖い。
(それぞれの役者の本性を炙り出したような本作。観応えありますよ)
凶悪
これは予想以上に凶悪で面白い!
私は、通常主人公が悪人や、犯罪者という設定のドラマは嫌いなのだ。
だがしかし、この作品は文句無く面白かった!
この作品では山田孝之演じる主人公のジャーナリスト自身は決して悪人ではないのだが、事件と関わる中で、彼自身が家庭と仕事との板挟みになり、公私共に追い詰められていく。その過程で、彼の気持ちに変化が生れる。
その変化こそが、この悪人達に付け込まれるような、可能性をはらんだ、誰にでも起こり得るかも知れない危険な香りがする。
そんな同質感を持たせながらドラマが進行して行く面白さに魅かれた。
山田孝之は未だ若い俳優だけれども、彼は多才なキャラをこれまで演じて来た非常に巧い俳優だと思う。この映画のラストも、ぞっとする位、このジャーナリストの心の闇、心情が出ていて良かった。
そして何と言っても、この映画では最高に超不気味で良い芝居が冴えていたのが、先生と呼ばれる、悪徳ブローカーを演じたリリー・フランキーだ。
つい先ごろ公開された「父になる」では、彼は人の良い、人情派の電気屋の親父さんを演じていたが、この映画では、偶然にも、人の良い電気屋の親父に保険金をかけて、自殺に追い込ませると言う逆転の役処には驚かされた。
この小心者の先生と言う人物が、次々とピエール瀧演じる須藤と言うヤクザ者を利用して、殺人をさせていく辺りの、背筋の寒くなるような展開から一瞬も目が離せなかった。
そしてジャーナリズムの持つ正義の意味についても考えさせられたし、個人の正義感や、良心を持続させる境界とは何か?何が人を犯罪へと駆り立てるのか?などなど、人間の心の闇について色々想いを巡らせられる作品だ。
本当に人間の心の中に芽生える憎しみは、初めはちょっとした些細な出来事から、生れるのかも知れない。そしてその小さな憎しみの気持ちが殺意へと変化するのは、そんなに大きな劇的な変化を必要とせずに自然とやって来るのかもしれない。正に誰でも、凶悪になる可能性が有る恐さを感じさせる所にこの作品の面白さが有る。
夏前に公開された「二流小説家」では、いかにも精神を病んだ犯人の犯行の動機の、その異常さに驚嘆したが、この作品では、人の善悪を隔てるボーダーラインの危うさに有り、実は、通常高いと思って信じているそのハードルも案外楽々と凡人でも越えてしまう瞬間がある。そんな恐さが、ミステリー要素の全く無い本作が、心の闇と言う人間の心のミステリアスな真実に踏み込んだ面白さが最高だった。この映画の終映後は、それぞれのキャラクターを通して、人間の善悪、人の心の不思議な力を思わずはいられない!
山田孝之の演技力
山田孝之×ピエール瀧のやり取りが素晴らしかったです。
特に山田孝之はドラマや映画で幅広い役をこなしますが彼が今1番勢いのある俳優さんだと改めて実感するとが出来ました。
日を増す毎にヒゲを伸ばし、髪の毛をボサボサにしたり、また時にはヒゲを剃ったり。外見だけではなくその演技力は素晴らしいものがありました。
この映画は実話を元にしているとのことで本当にあった事件なのかと思うとゾッとします。特に劇中でもありました(詳しくはネタバレになるので伏せます)が山田さんが警察の人に叫ぶシーン。
今の日本には様々な未解決事件があります。その警察の無能さに対して叫ぶ声が凄く響きました。
個人的には同じく警察の無能さを世間に示した「桶川ストーカー殺人事件」も映画化してもらい、同じ記者役を山田孝之にやって頂きたい。
なぜなら、そのような事件を風化させてはいけない。
そこらへんの俳優さんがやると実際におられる被害者の遺族や関係者に余計な哀しみを背負わせることになってしまう。
しかし、山田孝之ならそれすらも許せる演技力がある。そう思っています。
昔、白夜行や世界の中心で愛をさけぶ等多くのドラマで主演していた頃から今や映画がメインとなってしまった山田孝之さんですが、彼の演技力こそ本当に役者が伝えなければいけないモノが隠されているのだと思います。
最後に、長くなりましたがこの映画もそれくらい長いです。恐らく2時間15分くらい。良い意味でですが。
この作品は是非劇場で見てもらいたい。
以上です。
後味は悪い
狂気と直に触れあい事件の渦中の人となる作品とは違い、
どこか淡々としていて、
解体した死体を焼く様は美しくさえ見えるのは、
記者藤井のフィルターを通した世界であるからだろう。
安全な場所から傍観する者に、同じ現実を生きる池脇千鶴が
「楽しかったんでしょう?」と問うと、二重のバリアが破られて、
世界のただ中に放りこまれるような気分にさせられ、はっとする。
藤井の妻の立ち位置と視点こそ、この映画の最も面白いところだと思う。
そこにはいかないけれど、薄皮が剥がれると、どんな闇が飛び出すのかわからない。
保険金殺人の一家は紙一重のところにいる。
また、最初と最後の山田孝之とピエール滝の対比がすごい。
ぼんやもっさりしていた山田が徐々にぎらぎらとした眼差しになり、
滝は怒りや憎しみから解放され、涅槃の境地にいる。
生き埋めになる老人の姿を思えば、後味はすこぶる悪いが、
凶悪はもう一度観たくなる。
あと、藤井の上司役の村岡さんが好きです。
出会ってはいけなかった悪魔が二人
須藤と先生、出会ってはいけなかった悪魔が二人。
ワイドショー的に知っていた事件ですが、殺してなお平気な顔でズルズル続く尊厳の冒とくを突きつけられると本当に恐かったです。
闇に魅入られたかのように取材にのめり込む記者・藤井によって見えてくる凶行。無表情を装いながら揺れる藤井の感情、山田孝之が見事でした。
家族のエピソードはちょっと緊張をそがれる感じもしました。悪魔達は恐いが魅力的で、彼等との対決だけで充分見応えがありました。
ピエール瀧とリリー・フランキーが違うタイプの悪魔を熱演、恐ろしかったです。
どっちも恐いけど、私はピエール滝演じる須藤の、元々地獄の住人みたいな腹のすえっぷりが恐かったです。
物証はほとんどなく、告発者は悪魔の片割れ。こんな事件の裁判員になっちゃったらどうしよう、どうしよう…。
うっかり寝る前に頭に浮かんで、眠れなくなってしまったよ。
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