凶悪のレビュー・感想・評価
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俗っぽく安っぽいから重い凶気
どこぞの渇いた映画とまるで対極にあるように思える映画。
人を殺す意味に安っぽいリアリティがある。舎弟の盲信っぷりもそれに拍車を掛けてくる。さらに金、土地よりも明らかに生の価値を軽んじている。その癖聖書なんて読み出して前向きに生きようとするその厚かましさ。ものすごく命を安く見積もってる。恐ろしい。
他の人も書いているけど、お爺さんの懇願を尻目に殺していく様は
これフィクションだよね?
この人達演技だよね?
と思わずには見れない程酷いものでした。
認知症の母とそれを世話する嫁と暮らしながら仕事に逃げるように没頭する様も見てて辛い。
あっという間に最後まで見終えました。
本当の狂気もとい凶気は卑しくて近い存在であると、この映画は見せてくれました。
人には決していい映画として勧められないけど、素晴らしい映画でした。
まさに共悪。
人が死ぬということ
真の凶悪は新潮の記者じゃないか
忘れられない
随分前に見ました。
そのとき、確か16歳でした。R15をギリギリ超えた、くらいでしたね。感想は見なけりゃ良かった、でした。
ずっと心に残って、忘れられない。怖い、とか胸くそ悪い、とかそういう言葉で表せないわだかまりが残りました。
人におすすめはできないけど、見た人と感想を言い合いたい。そんな映画でした。
リリー・フランキーさん、ピエール瀧さん、どちらも圧巻でしたが、一番私の心に重く残ったのは山田孝之さんでした。絶妙でした。正義感を持つ記者が、だんだんと家庭をも省みず、事件にのめり込んでいく様。見たくない、けれど目を離せない。そんな自分の心理にかぶるものがありました。
見終わった後に、私が感じていたのは何であったのか考えました。何があったのか、知りたいという好奇心。人間の凄惨な部分を見たいという怖いもの見たさ。そして私がそれを楽しいと思ったか。
そう考えていったとき、自分の中に潜む"凶悪"に気づきました。
おじいさんに酒を飲まし続けるシーン。怖かった。けど、私は映画を見るのをやめなかった。そこには何か楽しみがあったのではないか。
それを指摘されたのが、ラストのリリーさんの演技でした。
善良だと思っていた自分の像が崩れました。
須藤、木村と通じる部分を自分は持っている。そのことが、ただ鬱々と私の胸に横たわります。
鑑賞からしばらく経って今、こうして感想を言えますが、おすすめはできません。
けれど、忘れることはできない作品なんでしょうね。
まだ、二度目を見ようとは思えません。
長文、失礼しました。
『凶悪』
犯罪パートと記者パートのギャップ
2005年に雑誌『新潮45』が報じた「上申書殺人事件」をベースに、その取材過程を含めたノンフィクションのルポルタージュ原作をクライムサスペンスとして映画化。
殺人事件で死刑をまぬがれない状況にある受刑者が、別の3つの殺人事件を告発するという、前代未聞の出来事を、事件を過去に遡って明らかにしていくパートと、告発を受けた雑誌記者の取材過程のパートと、2段構成が交互に描かれていく。
本作は、受刑者を演じるピエール瀧と、共犯者であり首謀者である「先生」と呼ばれる男を演じたリリー・フランキーと、この二人の演技が、非常に素晴らしい。正直いって、これまでこの二人にこんな演技を期待したことがなかったが、こんなにハマり役があるとは二人揃ってあるとは、本作を見るまで想像することもなかった。「映画はキャスティングで決まる」と言われるが、まさにこの二人の配役の見事さと、そのハマり役を見事に演じた二人に脱帽である。この二人が演じた殺人犯の役作りは、『復讐するは我にあり』で緒形拳が見せた鬼気迫る演技を魅せられた時の衝撃を思い起こさせる。さすがに、あの時の緒形拳に匹敵するとは言わないが、二人のハマった演技は筆者の記憶に残り続けるだろう。
この2人が殺人や犯罪を犯していくパートが鬼気迫る演技を見せてくれる一方で、山田孝之が演じる記者のパートになると、どうにもカッたるくなる。
そもそも、僕は本作のように事件を解き明かす記者が全面にですぎてる割に、映画的な工夫もないような作品は、あまり好きではない。本作の翌年に公開された『白ゆき姫殺人事件』のように、ミスリードを誘う役割や、間抜けで身勝手な視点という役割を担った狂言回しとして、記者が登場するのは良いと思うが、本作はそういう映画的な役割を与えられていない。要するに、原作の新潮編集部の自慢気が鼻につくのだ。
そもそも、この記者は、取材対象に対してくだらない正義感を振りかざしすぎてる。取材する人間は、もっと取材対象を突き放しているものだ。だから、この記者の取材態度や、裁判での発言、果ては私生活の描写まで、ほとんど共感できない。
この記者パートを、もっと扱いを小さくするか、あるいはもっと映画的に効果あるように構成するかしないと、殺人・犯罪パートの緊張感がぶち壊しだ。
ピエール瀧とリリー・フランキーが素晴らしいだけに、記者パートの出来の悪さが勿体な過ぎる。その2つのギャップが非常に残念。
普通
恐ろしかった
彼らの犯罪以上に恐ろしいこと
非日常的に溢れる狂気に酔いしれる
嫌悪感
ゾンビよりよっぽど怖いww
怖すぎる
会社の夏休み最終日に、嫌な映画見ちゃいました。ショックが大きすぎて、身体が重いです。気持ちも重い。
ありえない凶悪な犯人を、山田孝之が告発したというスッキリしたエンディングにならないところが、怖いです。また、この作品が名作である理由でもあります。
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