凶悪のレビュー・感想・評価
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真の凶悪は新潮の記者じゃないか
映画としてはよく出来てると思うのだが、真実とはこんなものだろう。
つまり救いがない。犯罪者側にも裁く側にも。
藤井という記者の妻が介護疲れで喚くというクダリ、要らなかったんじゃないか?と思いつつ見ていたが、藤井に対する嫌悪を増幅させるために丹念に何度も何度も入れていたような印象を受けた。
どの俳優さんも好演していると思うし、登場してくるようなヤクザものも現実社会で見たことがあり、共感を覚えなくもないが、
もう一歩「社会不適合者」の心の中の描写が欲しかったような気がする。お線香のシーンはまぁ、唯一救いのあるシーンだったかな。
忘れられない
随分前に見ました。
そのとき、確か16歳でした。R15をギリギリ超えた、くらいでしたね。感想は見なけりゃ良かった、でした。
ずっと心に残って、忘れられない。怖い、とか胸くそ悪い、とかそういう言葉で表せないわだかまりが残りました。
人におすすめはできないけど、見た人と感想を言い合いたい。そんな映画でした。
リリー・フランキーさん、ピエール瀧さん、どちらも圧巻でしたが、一番私の心に重く残ったのは山田孝之さんでした。絶妙でした。正義感を持つ記者が、だんだんと家庭をも省みず、事件にのめり込んでいく様。見たくない、けれど目を離せない。そんな自分の心理にかぶるものがありました。
見終わった後に、私が感じていたのは何であったのか考えました。何があったのか、知りたいという好奇心。人間の凄惨な部分を見たいという怖いもの見たさ。そして私がそれを楽しいと思ったか。
そう考えていったとき、自分の中に潜む"凶悪"に気づきました。
おじいさんに酒を飲まし続けるシーン。怖かった。けど、私は映画を見るのをやめなかった。そこには何か楽しみがあったのではないか。
それを指摘されたのが、ラストのリリーさんの演技でした。
善良だと思っていた自分の像が崩れました。
須藤、木村と通じる部分を自分は持っている。そのことが、ただ鬱々と私の胸に横たわります。
鑑賞からしばらく経って今、こうして感想を言えますが、おすすめはできません。
けれど、忘れることはできない作品なんでしょうね。
まだ、二度目を見ようとは思えません。
長文、失礼しました。
『凶悪』
犯罪パートと記者パートのギャップ
2005年に雑誌『新潮45』が報じた「上申書殺人事件」をベースに、その取材過程を含めたノンフィクションのルポルタージュ原作をクライムサスペンスとして映画化。
殺人事件で死刑をまぬがれない状況にある受刑者が、別の3つの殺人事件を告発するという、前代未聞の出来事を、事件を過去に遡って明らかにしていくパートと、告発を受けた雑誌記者の取材過程のパートと、2段構成が交互に描かれていく。
本作は、受刑者を演じるピエール瀧と、共犯者であり首謀者である「先生」と呼ばれる男を演じたリリー・フランキーと、この二人の演技が、非常に素晴らしい。正直いって、これまでこの二人にこんな演技を期待したことがなかったが、こんなにハマり役があるとは二人揃ってあるとは、本作を見るまで想像することもなかった。「映画はキャスティングで決まる」と言われるが、まさにこの二人の配役の見事さと、そのハマり役を見事に演じた二人に脱帽である。この二人が演じた殺人犯の役作りは、『復讐するは我にあり』で緒形拳が見せた鬼気迫る演技を魅せられた時の衝撃を思い起こさせる。さすがに、あの時の緒形拳に匹敵するとは言わないが、二人のハマった演技は筆者の記憶に残り続けるだろう。
この2人が殺人や犯罪を犯していくパートが鬼気迫る演技を見せてくれる一方で、山田孝之が演じる記者のパートになると、どうにもカッたるくなる。
そもそも、僕は本作のように事件を解き明かす記者が全面にですぎてる割に、映画的な工夫もないような作品は、あまり好きではない。本作の翌年に公開された『白ゆき姫殺人事件』のように、ミスリードを誘う役割や、間抜けで身勝手な視点という役割を担った狂言回しとして、記者が登場するのは良いと思うが、本作はそういう映画的な役割を与えられていない。要するに、原作の新潮編集部の自慢気が鼻につくのだ。
そもそも、この記者は、取材対象に対してくだらない正義感を振りかざしすぎてる。取材する人間は、もっと取材対象を突き放しているものだ。だから、この記者の取材態度や、裁判での発言、果ては私生活の描写まで、ほとんど共感できない。
この記者パートを、もっと扱いを小さくするか、あるいはもっと映画的に効果あるように構成するかしないと、殺人・犯罪パートの緊張感がぶち壊しだ。
ピエール瀧とリリー・フランキーが素晴らしいだけに、記者パートの出来の悪さが勿体な過ぎる。その2つのギャップが非常に残念。
普通
恐ろしかった
彼らの犯罪以上に恐ろしいこと
非日常的に溢れる狂気に酔いしれる
嫌悪感
ゾンビよりよっぽど怖いww
怖すぎる
会社の夏休み最終日に、嫌な映画見ちゃいました。ショックが大きすぎて、身体が重いです。気持ちも重い。
ありえない凶悪な犯人を、山田孝之が告発したというスッキリしたエンディングにならないところが、怖いです。また、この作品が名作である理由でもあります。
怖いけど。
誰しも凶悪な一面を持つ
藤井が最後まで、母親を老人ホームに入れるのをためらっていたのは、
自分の追う事件が、子に見捨てられた老人が殺される事件だったからだ。
しかし、いつの間にか家庭は崩壊に向かっていて、洋子と母親は暴力関係にあると知る。
ここから、一般家庭にも凶悪が生まれうるという訴えが始まる。
最後のシーン、藤井は木村と面会をするが、
『最も自分を殺したがっているのは、お前だ』と、木村に指さされる。
ガラスに映り込んだ自分を見て、藤井は自分の凶悪な一面を発見する。
そして、面会室の向う側から、藤井を見たカットがあるが、
その風景は、今まで藤井側から見ていた風景と一緒で、
犯罪者の世界と、私たちが正常と思っている世界が、交換可能であり、
私たちの世界にも凶悪が潜んでいることを感じさせる。
一方、凶悪犯である須藤純次は、人間らしく描かれている。
慕ってくれた五十嵐を苦しみながら殺す演技、その後やり切れない思いで線香をたく演技は圧巻だ。
先生が思い通り逮捕され、宗教に熱心になると、
今までと対照的に、無機質な人となり、逆に気持ち悪く感じる。
狂気をありのまま表現する人の方が正常ではないか、
そんな疑問が投げつけられた様に感じた。
全体を通して、物語の構成が素晴らしい。最後まで見飽きることのない良作だ。
恐ろしいけど見てほしい。
ストーリーは重くて決していい気分になる映画ではないのですが、多くの人に見てほしい。
まずは実際の話というところが、震撼する。
藤井の家庭の描写が不要という意見もあったが、昼間に残忍な殺人犯の告白をさんざん聞かされてあの状態の家庭に帰るというところが、ますます陰気な気分に輪をかけるし、逆にあれほど残忍なことをしている2人の家庭は円満だというところが、何とも皮肉。
不気味な音楽や陰鬱な映像もいい。
リリー・フランキーとピエール瀧が強烈に異常な2人を演じ、
主人公の山田孝之はキャラ的には一見普通の会社員なので、下手するとこの2人に全部持って入れてしまうところだが、これがまた素晴らしい。
11段階に分けたという絶妙な心理状態の変化など、計算しつくされてた上での演技だと思うが、どの映画でも本当にこういう人なんじゃないか?と思わせる演技力はさすが!
凶悪犯2人だけでなく、山田さんの演技ももっと評価されていいと思うし、山田さんにオファーした白石監督はさすが。
若い監督の今後が楽しみです。
僕にもやらせて。
おじいさん役が・・
いろんな意味でスゴイ!
役者もみんな良いし、どんどん事件の真相にはまって行く見せ方や凶悪っぷりが半端がなくこっちも魅せられてしまう。悪人と普通の人の境界線。須藤(ピエールさん)の真っ直ぐ過ぎる性格が憎みきれないとこもあり、人間身を感じさせる。妻(池脇さん)を見て見ぬ振りをしている(山田さん)の態度。ノンフィクションなだけあってとてもリアル。木村(リリーさん)が逮捕されてメデタシの単純なストーリーではなくしたのがまたスゴイ!
オラフと同一人物?!
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