二郎は鮨の夢を見るのレビュー・感想・評価
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「継ぐ」ということは
映画を観るまで、二郎さんが先頭に立ち続け引っ張り続けているというイメージだった。
もちろんそうなんだろうけども、映画としての締めにて、「今自分がいなくなっても同じものが出せる」という二郎さんの言葉はグッと来るものがあった。
自分が走り続けることによって作り上げられた場所が自立して回っているという状況に、狂気的な魅力的な、理想的なチームの姿を見た気がする。
二代目というのは大変だというのはどこでもある話。でもこの、すきやばし二郎に限ってはそうはならないような気がする。
「継ぐ」ということは、急に環境が変わることではなく、何十年もかけてグラデーションをもって行われていくものなんだと、実感した。(それを100分ほどの映像で表現しているのもすごい!)
そしてそれを成し得た原動力は、息子さん、お弟子さん達の二郎さんへのリスペクトなのかなとも感じた。
90になって自分の育てた人々が動き回ってるのを見ながら、満足な笑みを浮かべる。なんて素晴らしい人生なんだろうと思えた。
No. 1300
今より先へ。
映像がかっこいい
日本の寿司職人 二郎さんのドキュメンタリーを映画にしたもの。
これを撮ったのが海外の監督というのがまた良かった。
日本人では、気づいてない視点与えてくれます。
寿司というものがこれだけ丁寧にそして自己主張の強いものというも改めて知りました。
寿司職人にというのは、そうそう簡単になれるものではないからこそお客さんを相手にした時にどれだけものを提供出来るのか?
それする為に沢山の努力やそれぞれの専門家の目があるのかなって感じた。
85歳を超えてもそれだけ第一線で動けるのは、今までの積み重ねがあってからこそなんだろうなと思う。
最後のシーンが個人的には、とても良かったです!
【”君はすきやばし次郎の鮨を口にしたことはあるか。”モノづくりの厳しさ、情熱の大切さを学ぶ作品。】
ー すきやばし次郎の店主・小野二郎と、長男、次男、弟子の姿を通して、鮨の神髄に迫るドキュメンタリー。
特に、職人の矜持を語る彼らの言葉の数々は、印象的である。-
◆感想
・今作、撮影時、小野二郎さんは85歳を超えていた筈だが、健啖家である。そして、彼は言う。
”お客さんより、舌が肥えてなきゃ、美味い鮨は、握れないでしょう。-
・10年掛けて、卵焼きを店に出す事を許された弟子の言葉。その手捌き。
・小野二郎さんの長男は、べらんめえ口調で、父親の鮨について語る。
・小野二郎さんの二男の店が映されるが、本店は酒のつまみを出してくれないので、酒を飲みながら、鮨をつまむ私は、こちらの店の方が合う。
- 映像でも出るが、予約は一カ月先まで一杯。(当時)お値段、三万円から。
鮨が出るスピードは速い。ゆっくり食べても、20分から30分で食べ終わってしまう。-
<モノづくりに掛ける、職人の矜持を描いたドキュメンタリー作品。ドンドン、使えなくなっていくネタが多くなっていくことを嘆きつつも(二郎さんの舌が、店に出す事を許さない。)真摯に鮨に向かう親子の姿が印象的な作品でもある。>
◼️私が本当に好きなのは、旅先で行き付けの小料理屋でご主人と何気ない会話をしながら、旨い酒の肴をつつきながら杯を傾ける事であり、我が家の家人が作ってくれる旨い料理で一杯呑む事だと言う事は、敢えて記す次第である。
武骨で真摯な様を感じ取れる
東日本大震災が生じた2011年に作られたものを、10年後に図書館の棚で偶然見つけて、借りて視聴しました。日本を代表する寿司の職人の武骨で真摯な様が十分に感じ取れて、素晴らしい作品であると思いました。一つ一つは至極当然のものであり、それをコツコツときちんと積み重ねて、繋ぎ合わせて、最終的にカウンターに座る客に出すだけ、ということです。一つ一つにはこだわりとか、信頼できる人を巻き込むといった納得感があって、これがよくぞと感心するほどに作品に盛り込まれていました。DVDでは、本編と別に採用されなかった記録の編があって、これまた興味深いものです。一連のことを習得するのに時間を要するとはいえ、修行期間一律10年という設定ルールはいかがなものかと疑問ありですが、調理場で垣間見れる仕草は、我々素人でも参考になる点が多くあって、思わず背筋が伸びるような感ありの秀作と思い、中古DVDを手元に置くつもりです。
エキゾチック
フランス人が見た、ザ・日本の職人!なんだろうな。ちらっと環境問題や...
純粋に仕事を愛している
すきやばし次郎の小野二郎さんを取り上げたドキュメンタリー。
美味しい鮨を心底追及し続ける姿勢が伝わる。仕事を愛するってそういう事だろうなと思えた。
ただこれは、職人として苦しいことに耐えるのを美化するとかそういう映画ではなく、美味しい鮨をお客さんに提供するにはどうしたらいいかということを追及した姿を率直に映し出しているなという感じがした。
映像だけでも鮨の旨味の洗練された感じが伝わってきた。
二郎さんだけでなく、働いている人全員が素晴らしい鮨を提供するための土台を作り上げていることを映し出してくれたことに感銘を受けた。
それにしても二郎さんみたいな人は何故か共通してすべてを見透かすような目をしてるなといつも思う。
フランス人が見た、ザ・日本の職人!なんだろうな。ちらっと環境問題や...
いいネタを入れて、いい仕事をするのが職人
映画「二郎は鮨の夢を見る」(デビッド・ゲルブ監督)から。
東京・銀座の名店「すきやばし次郎」の店主で寿司職人の
「小野二郎さん」に密着したドキュメンタリーである。
普段は、あまりインタビューで構成される作品は観ないのだが、
「ミシュランガイド東京」で8年連続の三ツ星獲得の秘密を知りたくて
メモ帳片手に、何度も巻き戻して鑑賞を終えた。
書きなぐりの台詞を整理したら「職人」というキーワードにぶつかった。
次郎さんだけでなく、登場人物のほとんどが口にする「職人」という定義が、
面白かったので、紹介したい。
元「すきやばし 次郎」鮨職人「水谷八郎」さんも、
「同じことを同じようにやるのが、職人の仕事だから」と言い切るし、
料理評論家・山本益博さんも、彼のお店で出される「お鮨」について
「どのお鮨もシンプル。余計なことをしていない。
シンプルを極めていくと、ピュアになる」という言葉を残している。
そのためには「毎日、決まったものを。電車にのる場所まで決まっている。
そして(次郎さんは)お正月休みが一番苦手だ、と言っていた」ことも披露。
自分に厳しく、いかにいつも同じ状態でいられるか、を念頭に置き、
「ミシェラン3つ星の条件」と言われる「クオリティ・オリジナリティ・
いつも同じ状態か?」は、ミシュランの格付けが始まる前から、
自分たちは実践してきた、という自負が感じられた。
そんな次郎さんの「職人」に対する定義は、皆のひとつ上をいく
「いいネタを入れて、いい仕事をするのが職人で」だった。
「あとは、儲かろうが、儲からんが、あまりそれは気にしない」と続いた。
「(鮨は)出来たらすぐ召し上がっていただくのが食べごろです」という、
次郎さんらしい言葉も印象に残る。
私として「プロフェショナル」とはちょっと違う感覚の「職人」の仕事、
この映画を観ると、無性に「職人の作った料理」が食べたくなるに違いない。
心地よいドキュメンタリーでした。
ネタだけでいうと特段特徴があるものでもないのに3万円からの鮨。でも画面からも細かいこだわりなどが感じられます。映画としてみてもすごくきれいなドキュメンタリーでした。BGMのクラシックもすごくぴったりでした。
来店からの鑑賞
リスペクトの塊
ドキュメンタリー映画初挑戦。ついでにiTunesの動画レンタルにも初挑戦してみました。HD画質素晴らしい。ドキュメンタリー映画をHDで見てもどうかな?と思ったんですが、逆に我々と地続きの世界を高画質で見るのは新鮮でした。
そしてなによりHDの恩恵を受けているのは寿司ですよね。85歳の職人の手から繰り出される寿司の数々は芸術品のようで、逆にこれ食べられるのかって思いましたw特にイクラとか本当に宝石のようです。
寿司ができるまでの過程も見所です。酢飯作りや海苔を火に通す作業、魚の捌き方、カステラのような卵焼き…それらを効果的なスローモーションや様々なアングルで見せる手腕は見事。我々が普段見ることのできない過程を見ることで職人のすごさを実感しました。
作品全体に製作陣からすきやばし次郎へのリスペクトが感じられます。まあ面白いかって言われると僕はそこまでなので評価はこんなもんで。
良質のドキュメンタリー。
もっと退屈なものかと思ってましたが、思いの外、時間の過ぎるのが早く感じた。
二郎さんは、すごくいい顔をしていた。
仕事が好きでたまらないんでしょうね。
音楽がクラッシックだが、大変映像に合っていた。
センスの良い映像、退屈させないテンポ、
ラストもキレが良い。
たかが鮨、されど鮨
「すし」は「寿司」と書くことも多いが、
「すきやばし次郎」の「すし」は「魚」が「旨(い)」と書いて「鮨」。
この漢字で表現されるのが相応しいと思う。
「すし」と一口に言っても、ネタとなる魚を扱う築地の目利きがいて、彼等プロが選んだ魚に丁寧な仕事がされ、これまたお米のプロが選び抜いた米をそれに相応しい方法で炊き、最終的にネタとシャリが絶妙なハーモニーを奏でる。
二郎さんの握る鮨がシンフォニーに例えられるが、二郎さんは謂わばマエストロ。
すべてにめを配り、最高の鮨としてまとめあげる。
「すし」は「SUSHI」として世界中で食べられるようになった。それ自体は喜ばしいことだが、中には、(日本人から見れば)「これはもうすしじゃない!」と言いたくなるような「トンデモすし」もある。
だから(世界中に広がった今だからこそ)、これは世界中のすし好きに観てもらいたいと思う。
これが、「日本の鮨」です。
魚が美しい。丁寧な仕事をされたネタが美しい。道具が美しい。職人の指先が美しい。
「美味しい」は「美しい」。
ああ、死ぬまでに一度でいいから食べたいなあ。二郎さんの鮨。
二郎の鮨を夢に見る。
ミシュラン3つ星、コースは3万円からと、高級感と敷居の高さが
鑑賞の邪魔になるのは致し方ないところだが、外国人監督が撮った
違和感がまるでないところが立派。9歳から奉公に出され、苦労を
重ねた大正生まれの鮨職人が、銀座で店を開いてから有名になるが
あくまで現役続投体制。息子に後塵を譲るとはいえ、まだまだ引退
の文字は遠く、あくなき探究心が果てることはない。これぞ職人芸。
バカがつくほど仕事に執心し、その姿を息子達が追い、弟子が育つ
とは職人冥利に尽きることである。自身の興味のみならず後進育成
(つまり親心)が備わっているところも興味深い。伝統の食の芸能が
私のような庶民に向かって観ることで味わい美を堪能させてくれる。
衒いのない情熱がいい
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