劇場公開日 2013年2月2日

  • 予告編を見る

「たかが鮨、されど鮨」二郎は鮨の夢を見る arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5たかが鮨、されど鮨

2014年1月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

幸せ

「すし」は「寿司」と書くことも多いが、
「すきやばし次郎」の「すし」は「魚」が「旨(い)」と書いて「鮨」。
この漢字で表現されるのが相応しいと思う。
「すし」と一口に言っても、ネタとなる魚を扱う築地の目利きがいて、彼等プロが選んだ魚に丁寧な仕事がされ、これまたお米のプロが選び抜いた米をそれに相応しい方法で炊き、最終的にネタとシャリが絶妙なハーモニーを奏でる。
二郎さんの握る鮨がシンフォニーに例えられるが、二郎さんは謂わばマエストロ。
すべてにめを配り、最高の鮨としてまとめあげる。
「すし」は「SUSHI」として世界中で食べられるようになった。それ自体は喜ばしいことだが、中には、(日本人から見れば)「これはもうすしじゃない!」と言いたくなるような「トンデモすし」もある。
だから(世界中に広がった今だからこそ)、これは世界中のすし好きに観てもらいたいと思う。
これが、「日本の鮨」です。

魚が美しい。丁寧な仕事をされたネタが美しい。道具が美しい。職人の指先が美しい。
「美味しい」は「美しい」。

ああ、死ぬまでに一度でいいから食べたいなあ。二郎さんの鮨。

arakazu