エンド・オブ・ウォッチのレビュー・感想・評価
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「やばいよやばいよ、リアルにマジだよ」
警官の日常業務と私生活。その中で突如始まる銃撃戦。
この手の話は、70年代に既に「センチュリアン」という傑作が作られており、その後「カラーズ」もあり、ストーリーに目新しさは全く無い。
同じようなストーリーなのだが、パトロール中に犯罪者や不審者と対峙した時の警官の所作が、一瞬の隙が命取りの緊張感に満ちており、そこが70〜80年代との違いが感じられて面白い。
これが今のリアルな警察なら、神経をすり減らして正気を保つだけでも大変だろうな。と感心してしまう。
映像は、車載カメラ、手持ちカメラ、空撮など何でもありだが、変にPOVにこだわるほうがリアリティーが無くなるので、このやり方がドキュメンタリー的な効果を上げるには正解でしょうね。
日本の「警察24時」が好きなので、それを更に刺激的にした本作もそれなりに楽しめました。
日本も、警察煽って珍走してるバカガキどもを射殺しまくる映像見せてくれればもっと面白くなるのに(笑)
この映画観て少し反省した
警察小説とか警察映画が大好きなのだが…。警察内の腐敗とか裏切りを描いた古臭くてドロドロしたやつ。
(デビッド・エアー監督の前作「フェイクシティ」はまさにそんな映画だった。)
で、本作のベクトルは全く逆。
パトロールの巡査2人が主人公。
普段はバカ話したり小学生並みの悪戯を同僚に仕掛けたりする気のいい兄ちゃん2人組。
で、時には命をかけて街の住民を助けたりする。
腐敗とか裏切りとかそういう汚い話は一切無し。
(L.A.の警察署が全面アシストしてるからそりゃあんまり悪い話も描けないだろうけどさ)。
突出してるのは2人がパトロールする街がL.A.サウスセントラル地区だという事。
アメリカでも一番殺人の多い地区で
パトロールしていて、常軌を逸した極悪な事件に次々と遭遇する。
(監督はこの地区の出身らしい。それだけに荒んだ感じが淡々と描かれていてリアル。)
えらいなあと思ったのは、
トラウマになりそうな殺伐とした現場に日々接していながら、2人があくまでも普通の人であるということ。
家に帰れば家族や恋人を大切にし、日常生活の中でささやかな幸せを見いだすような普通の人たち。
その普通さが、なんと強靭なのだろうと暫し考えさせられた。
私の好きな警察小説・映画は
犯罪と密であるが故に残酷さに捕われて、自らも崩壊していくような刑事たちを描いたものが多かった。
(例えばエルロイの小説とか、映画で言えば「バットルーテナント」とか。)
でも考えてみれば、現場の警官たちがいちいち崩壊していったら、警察成り立たないもんねえ。
現場の名も無き巡査たちが踏ん張って普通を保ってるからこそ、パトロールも成立するんだもんなあ。
監督は普通であることの強靭さを描きたかったのだと思う。
私はどうしたって滅びの美学的なものに目を奪われがちだが(古っ)、それだけじゃダメだよなあと、この映画観ながら少し反省したのであった。
「壊れた世界を壊れた人間が彷徨うのがノワール
壊れない人が壊れた街を彷徨うのがハードボイルド」(by滝本誠氏)だとすると
この映画、壊れなかった普通の人のハードボイルドだなあと思う。
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エアー監督の演出、ドキュメンタリー風のところが個人的には若干過多に感じた。また、多少ご都合主義的な話の展開でもあるなあと思ったり…。そういった多少の?もあるのだが、
エアー監督が関わったこれまでの警察映画「フェイクシティ」「S.W.A.T.」「トレーニングデイ」とはまた一味違う警察映画を魅せてくれて新鮮だった。
今後もいろんなタイプの警察映画を撮って欲しいなあ。
主演のジェイク・ギレンホール&マイケル・ペーニャもとても魅力的だった。
リアルな警察官の姿
ロサンゼルスの犯罪多発地帯のパトロール警官を描いた作品。小型のカメラを俳優に取り付けて撮影するなど、CGMを意識した撮影手法を取っており、ドキュメンタリー風に仕上がっている。
過去の似たような手法で撮影した作品には、『クローバーフィールド(HAKAISHA)』や『SUPER8/スーパーエイト(Super 8)』がある。ただ、それらはSFであったが、今回の『エンド・オブ・ウォッチ』現代の日常を描いているので、よりリアルに感じられた。
今回の主人公は、ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャ。撮影手法と言い、題材と言い、殆どドキュメンタリーであるので、出演する俳優も、もっと無名な俳優であった方が、よりリアルであったと思う。そこがちょっと残念。
それにしても、通常観光で行くロサンゼルスは、ダウンタウンなどのごく一部で、今回の舞台となっているようなエリアは目にすることはない。ロスアンゼルスは危険な街だと言われるが、今回の作品を見ると、その言葉がウソではないことがよく分かる。
ラストが、衝撃的。そうきますか・・・、と言う感じですね。
無用なパトロール警官の毎日の現場でのエピソードの数々が多すぎて、なかなか本筋が見えてこない作品
最近多くなったモキュメンタリーの手法に近い作品。モキュメンタリーとは、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事に基づいて作られるドキュメンタリー風表現手法のことです。『アポロ18』などがこれに当たります。本作でも臨場感を重視するあまりに、白人巡査テイラーが自分たちロサンゼルス市警の巡査の日常を自分のカメラで収録していく形式で物語が進んでいきます。
テイラーたちが担当するサウス・セントラル地区は、5分に1回の割合で凶悪事件が発生する無法地帯。テイラーが廻し続けるカメラも、相棒との下ネタ談義も終わらぬうち、次々と発生する事件現場に向けられるのでした。
ということで、常にテイラーによるカメラ目線が凄い臨場感を感じますが、何分パトロール中に慌ただしく発生する事件・事故を丹念に追っかけてしまうので、なかなか本筋の麻薬組織に命を狙われる本筋に行き着かないところが、この作品をつまらなくさせています。もちろん、日々のパトロール風景でも、麻薬を隠し持っている密売人と格闘するシーンや火事で燃える家に飛び込んで子供を救出するシーンはそれなりの迫力ではあるのですが、本筋との関わりがなかったり、弱かったりするシーンが続くので、散漫に見えてしまうところが惜しいのです。もちろん麻薬組織の怒りを買うことになる動機としての伏線で描かれるパトロールのシーンもキチンとは描かれてはいます。しかし、従来の起承転結がきちっと演出されたポリスアクション作品と比べるとモキュメンタリー手法に近い本作は、どうしても無用なパトロール警官の毎日の現場でのエピソードの数々が多すぎるというのが正直な感想です。
それと、テイラーによるカメラ映像とは別に、彼らの行動を映し出す作品としてのカメラとかランダムに入り交じっていて、どっちのカメラ目線なのか分かりづらいというのも疑問に感じたところです。登場人物を4台のカメラで360度ぐるりと捉えるカメラアングルは斬新だとは思えましたが。
ただ本作は殺伐としたパトロールのシーンばかりではありません。彼らも生身の人間。任務が終われば、愛すべき家族や恋人と甘い時間を過ごしたりします。本作でも、テイラーの恋人との出会いから結婚するラブシーンや、身重だったザヴァラの妻が出産するシーンなど、任務から離れたプライベートのシーンが映し出され、感動するところもありました。こういうのは緊張が続くシーンの中で、いい息抜きとなりますね。
ところで『エンド・オブ・ウォッチ』タイトル自体が、テイラーとザヴァラの巡査コンビの運命を語っているネタバレなんですね。チラシに書いてある範囲でネタバレしますと、『End Of Watch』とは、作品の中でも出てくる毎日の任務終了時に提出する業務日誌の末尾に書くことになっている決り文句。必ず“E O W(任務時間終了)”の三文字と終了時間を書くことになっているそうなのです。けれども、不幸にも二度と家に帰ることが出来なくなった場合、“E O W”の三文字は殉職を意味する警察内部の隠語となっているようです。
そんなタイトルがつけられている以上、チラシに書かれている以下の結末は推測がついてしまいそうです。それは麻薬組織から暗殺指令を受けたメキシカンギャングたちが、二人の立ち寄り先に待ち伏せして急襲し、荒らしのようにマシンガンを二人に目がけて降り注ぐというラストなんです。
しかし、それで安直に殉職しては、映画になりません(^^ゞ雨あられのような弾丸をかいくぐって、警官コンビは決死の反撃を開始します。誰もがアレレと思う、意外な結末はぜひ劇場でご確認ください。
警察もギャングもチンピラ
LAPDのパトカー警官の日常を等身大目線でつづった傑作! ゲームGTAをそのまま映画にしたようなチンピラ感満載。
せっかく取引現場を押さえて悪者を逮捕してもFBIに怒られたりするなど非常にしょっぱい感じもとてもよかった。ギャングに拳銃を突き付けて屈服させたり、麻薬を押収したり、あのようなスリルや興奮に満ちた仕事に従事して早く死ぬのも楽しい人生なんじゃないかなとちょっと憧れてしまう。
登場人物がみんな本物にしか見えないくらい演技が素晴らしかった。ピンホールレンズのような荒々しい映像にとても合っていた。
アメリカ、こわい
犯罪が蔓延するアメリカ、ロサンゼルス市警の警察官・ブライアンとマイクは パトロール中に押収した武器や現金を巡って“危険地帯”に踏み込んでしまう・・・というストーリー。 「COPS」というテレビ番組がありますが、趣旨が似ている気がしました。 ドキュメンタリー風の撮影方法、皆が皆 録画中なのは不自然だけど まぁよしとして、ブライアン役のジェイク(・ギレンホール)と目が合うのは ちょっとドキッとします。
ブライアンを演じた ジェイク・ギレンホール。 長髪でペルシャの王子をやってた時もカッコよかったけれど、今回の坊主頭で警官姿も 似合いすぎ! 若くて無鉄砲だけど 正義感が強く仲間思いのブライアンを 好演。 日々 目の当たりにする理不尽な出来事に憤りつつ 不安を感じるという表情が良かったです。
ブライアンの相棒・マイクを演じた マイケル・ぺーニャ。 なんとなく いつもこんな役。 出過ぎず・地味過ぎず、メキシコ人であることをアピールしつつ 嫌味じゃないウィットにとんだ会話で コンビ仲を盛り立ててくれます。ジェイクとのバランスも 良かったです。
ブライアンの恋人・ジャネットを演じた アナ・ケンドリック。 演技派の彼女を起用して強化を図ったようですが、見せ場が少なく もったいない。 特にブライアンとの絆がイマイチ伝わらず、画的にはパーフェクトだけれど 愛情の部分で物足りなさを感じました。 『恋愛だけじゃダメかしら?(2012)』(レビュー書いてます)のチェイス・クロフォードを相手にした時のほうが リアルカップルに見えました。
その他、TVシリーズ『アグリー・ベティー』のイメージ払拭のアメリカ・フェレーラ、『Magic Mike(2012)』で結構いいポジションだった コーディ・ホーン(ちょい役)なども出演。 あと、ギャングを相手にするという流れで、ブラック・ギャングやメキシカン・ギャングの皆さんが多数出演してますが、あの人たちは 本当に俳優なのか(実は 本物のギャングなんじゃ…)と思わせるほどの 迫力です。
これはフィクションで すべて演出だと言われても、基となるストーリーはあるはずだし、実際に起こりえる事件の数々なんだと思うと ステレオタイプにはなりたくないけど、アメリカ、こわい。。。 陽気なアメリカ人(ブライアンとマイク)と、悪が影を落とす街と減らない犯罪。 他国とはいえ、考えさせられる作品です。
P.S. 印象の部分で「笑える」としたのは ブライアンとマイクの会話を指したものです。 それと、“劇中のデュエット”が可愛くて さっそくその曲をDLしました(IMDbに情報あり)。
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