真夏の方程式のレビュー・感想・評価
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劇場版第1作『容疑者Xの献身』の続編
元々子供嫌いである湯川(福山)が泊まった旅館“緑岩荘”で、経営する川畑家の親戚の少年、恭平と仲良くなる。科学が嫌いだという恭平に沖合の海の美しさを見せてやろうとペットボトルロケットを作り、ケータイでのテレビ電話を埋め込み実験に成功させるのだ。出会いは電車の中で、ケータイをアルミホイルでくるんで受信させないというエピソードがあった・・・
そんな折、同じ旅館に泊まっていた元刑事、塚原(塩見三省)が海岸で変死体となって発見されていた。警視庁からもなじみの岸谷刑事(吉高)が出張ってきて、捜査に加わり、やがて塚原が一酸化炭素中毒で死んだ上に海岸に投げ捨てられたと判明する。
事件は塚原が16年前に逮捕した仙波(白龍)の解決済事件にまでさかのぼる。仙波は実際には犯人じゃなく、誰かの罪を被って自ら刑を受けたというのだ。川畑家の主人重治(前田吟)と節子(風吹ジュン)、それに娘の成実(杏)の三人がそれぞれ秘密を抱え、湯川の仮説が炸裂して事件は解決へと向かうはずだった・・・
仙波が誰の身代わりになったのか?普通なら節子だと考えるところだが、不自然な点が多いため、湯川は成実が真犯人だと推理する。実は成実の本当の父親が仙波だというところまで。
『容疑者X』の出来(内容)が良すぎたためか、今作品では凡庸なイメージが残る。ただ、少年が実は罪の一端を担っていたため、将来共犯者だったんじゃないかと悩む彼の人生が狂ってしまうことを怖れる湯川。人間らしいところもあるじゃん・・・。まぁ、全てを知っていた重治の人間臭さも捨てたモノじゃない。結局、殺人事件であるはずなのに業務上過失致死と死体遺棄だけの罪で終わってしまう展開。結審済の事件で成実は罪に問われることはないにしても、ずっと重い十字架を背負って残りの人生を歩むなんてのは・・・
全てを知った上で、進むべき道を決める
この言葉は誰でも言える言葉ではないと思う。
向き合う強さと覚悟がなければできない事。
都合の良いことも悪いことも全部受け入れた上で、進むべき道を決める。
合理的であると同時に人間的な部分を損なわない、素晴らしい言葉のように思う。
事件の内容は一切入ってこなかった。
湯川が終始貫いたスタイルにただただ魅了された。
自分は、好きです。すごく、好き。
地上波放送時に観ました。観賞日はうろ覚えです。
私は、好きです。
原作者の東野さんの作品は、「罪は必ず、裁かれるべきもの」というポリシーが一貫しているせいか、映画化にあたっては、脚本で改変されることが多いように思っています。この作品の場合には、将来的に気づき苦悩するだろう、という示唆でしたが。
この映画は、比較的、原作に忠実で、東野ワールドを忠実に描けているように自分は感じました。
夏の明るさ、楽しさ。ペットボトルロケットのくだりは、科学大好き少年だった自分にはたまらない!! それとあまりにも残酷な事実との対比に涙したことを今でも思い出します。
そしてその喜悲二つの正反対のエピソードが、いずれも必ず成長につながるだろうと思わせることが、この作品の極めて優れている点ではないかと感じています。
環境に対する作者の考え方も明瞭に表現されていて、「天空の蜂」と並んで、作者が科学者であることの良さが際立った原作と思う。そこを忠実に描いた点も含めて、この映画は、自分の中では高評価です。
やむなく罪を犯さざるを得ない時はある。それでも、罪は裁かれるべき。ただし、犯してしまった側に立てば、それを乗り越えることには、人生の価値があると言うことを、教えてもらった。
及第点
話としては殺人動機が不充分。これは大目に見よう。
で殺人は二回あるんだが、犯人が別の人。
これは同じにして欲しかった。
湯川:福山は全てを悟って当事者にぶつけるが、
偶には真相が違っていても、
表面的には嘘が罷り通っていても「実に面白い」のではないか。
で今回も、当事者にぶつけるシーンがあるのだが、
このシーンはその演技にも演出にも注目ですが、
前作冒頭で「愛」を否定?した湯川が、愛を語っているという妙。
決して論理的ではないが、
全てをつないでおく為の最終手段として納得。
福山さんは前作よりいいです。湯川学の徹底さが。常に冷静。
吉高は柴咲より、かわいいとかもそうだが、演技も上手いし、
目立つシーンでの振る舞いも分かってる感じ。
ちょっと化粧濃いかな。
杏の昔も杏でいいだろ、父母もそのままなんだから。
子役もたまに変な演技してた(花火のはしゃぎ方が変)。
秀逸だったのは、吟と白竜。格が違うね。
あと風吹ジュンのたばこシーンは、
何か意味有るかと思ってたらそーでもなくてがっくり。
映像がキレイ。そりゃ海だからね、で片づかない位キレイ。
玻璃ヶ浦ってホントにあるんかな、行ってみたくなった。
総合的にはまあ面白いと思う。
個人的には期待値より下だった。鐘一つといったところ。
湯川先生に会いたくて
湯川先生にまた会いたいなと思って、観ただけだったのですが
作品としても結構面白かったです。
子供嫌いな湯川先生と少年とのやり取りが、微笑ましくて癒されました。
ラストは予想通り悲しい結末でしんみりしましたが、なかなかの良作でした。
情景が素晴らしい
ガリレオシリーズの原作小説としては『容疑者Xの献身』のほうが好きなのですが、映画としては『真夏の方程式』のほうが好きです。
夏らしい情景が清々しく、映画の終盤は夏休みが終わるような一抹の寂しさがありました。
映像としては東野映画で一番好きな作品です。夏になると観たくなります。
また、こちらはガリレオシリーズ未読者、未視聴者でも「博士」と「少年」のひと夏の映画として鑑賞できるのではないかと思います。
私はミステリー映画としてではなく、切なさのある夏休みの娯楽映画として楽しみました。
子役はミスキャストかな…
原作をつい最近読みました。映画の方は2年位前に視聴。
さすがの東野圭吾作品というべきか、両方いいですが、強いて言うなら映画です。
映画にあった、湯川が少年に言うセリフ「名探偵だな」と終盤での「君は一人じゃない」というのがない。あと、取調室?面会室?でお父さん役の前田吟と湯川が対峙するシーンが原作にはない。ここで少年の事を憂いながら静かにお父さんに怒りをぶつけ、それを杏が聞いて嗚咽するシーンが非常に泣けるのだけども、これは映画だけ。脚本の福田靖氏が上手いのだろう。
で、順番として映画→原作だったんだけど、映画観てたときは、恭平役の子に対して印象がほとんどなくて、(どこにでもいる田舎の少年)境遇がツラいから可哀想に見えていただけ。
でも、原作を読みながら映画を思い返してたんだけど、この恭平くんというのが、家族の悩み事があったり、適度に生意気だったり、大人に対する憧れや失望といったものを抱えてるんだけど、映画に出てたこの子は表現できてなかったと思う。
あと、他のコメにもありましたが、吉高某の出演シーンが少なかったのも高評価の理由のひとつです。
これは素晴らしい福山!!
ガリレオのちょっとおふざけ感のある福山の演技を想像すると今回の静かな演技に驚きを隠せません!
クールな中にも表情だけで見せる演技をしていて役者としての素晴らしさ、素直にかっこよかった。
前作の劇場版、容疑者xの献身も良かったけど原作既読済みだと、ちょっと配役に??な部分もあったが今回は原作は未読
柴崎コウはでてこなくて良かった笑
吉高由里子も邪魔にならない程度の役柄、いつものガリレオポーズをつっぱねることで今回の映画への真摯な姿勢が伝わる。
杏はさすがの演技でした。
この映画、最初は見る気なかったんですよね、容疑者xの献身はよかったけど今回はなんだか地味そうで、、
以前伊豆へ行ったときに真夏の方程式の舞台と紹介されてる場所へたまたま行ってそれがこの映画を見る動機になった
オープニングのモノクロからの赤、青い海、色使いやシーンごとのセンスがとても良かった
内容としては少し地味で容疑者xの献身に少し似通った部分もあるが家族愛や少年とのやりとりなど邦画だからこそ伝わる感動があったと思う。
最後の方、湯川や、少年、お父さん、娘、色んな立場から感情移入してほろりときました。
【湯川と、ある少年の夏休み成長物語。】
- 息子がこの作品好きだったなあ。少年の夏休み成長物語に惹かれたのだろうか?-
◆感想
・今までのガリレオシリーズには無いパターンの湯川と少年との交流。
・取り分け。海に向かって、ペットボトルロケットを二人が、シーンは良く覚えている。
<宿屋の夫婦が犯した過ちを、湯川が粋に処理するシーンも良かったなあ。>
遠い少年時代の夏休みを想い出させてくれる映画
さすが東野圭吾さんの原作、福山雅治さんの演じる天才物理学者のキャラクターもしっかりといかされた見応えのあるサスペンスでした。かなり賛否両論はあるであろう結末だとは思いますが。。。
遠い少年時代の夏休みを想い出させてくれるノスタルジックな作品でした。
あまりにも切なく、残酷な真相…
"ガリレオ(劇場版)" シリーズ第2作。
「土曜プレミアム」で鑑賞。
原作は既読です。高校3年生の時に読みました。
発売された途端に購入して、受験勉強そっちのけで読み、3日間で読破してしまいました(勉強せんかい!(笑))。
本作も前作「容疑者Xの献身」と同じように、テレビシリーズとは一味違った静謐な雰囲気を漂わせながら、ストーリーが進行していきました。謎が解けたら、めったやたらと数式を書いていくシーンはもちろんございません。
玻璃ヶ浦の美しい海を守ろうとする住民と、資源採掘を計画する企業との対立が本作の縦軸として描かれていました。
科学技術の発展は、同時に環境破壊を伴ってしまう…。人類の営みと決して切り離せない問題に、考えさせられました。
この問題への湯川の科学者としての意見が描かれており、推理機械とは違う、人間的な面を垣間見ることが出来ました。
また、こんな一面も…
蕁麻疹が出るほど子供嫌いな湯川が過ごす、少年とのひと夏が微笑ましい限りでした。恭平といる時は不思議と蕁麻疹が出ない…。おそらく理論的な子供だったからでしょう。
恭平に科学の面白さを教えようと、ペットボトル・ロケットを使った実験を披露。こんなにワクワクする自由研究なら、夏休みの宿題も楽しくやれただろうなと思いました(笑)。
科学の素晴らしさを伝えると共に、それが齎す光と影を教えました。事件の真相ともさりげなくリンクしているので、本作のテーマは表裏なのかもしれない、と思いました。
事件の裏に秘められた、関係者たちの人生の秘密と罪と罰、計り知れない愛の物語が心に深く突き刺さって来ました。
大切なものを守るために罪を犯し、それを心の内に秘めて背負って、生きて来た人々…。演技達者な俳優陣の熱演が、胸に染み渡って来るような切なさをもたらしてくれました。
単なるミステリーのままでは終わらない、重厚でエモーショナルな人間ドラマが、「ガリレオ」劇場版シリーズの持ち味であり、大きな魅力だなと改めて感じました。
※以降の鑑賞記録
2016/03/26:土曜プレミアム
2017/? ?/? ?:Blu-ray
2020/03/15:WOWOWシネマ
2020/09/19:WOWOWシネマ
2021/07/23:Blu-ray
※修正(2022/09/14)
遠い日の夏休みを思い出すような映画
少年と過ごす夏休み、事件は起こるけどメインは少年とのふれあい寄りかな?
どちらかというと謎解きがメインな雰囲気のあるガリレオシリーズの中では異色ではないでしょうか?ちなみに私はシリーズ中で本作が一番好きです(ドラマは合いませんでした)。
オチは・・・少し悲しいですね。
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