「理念をここに再び」リンカーン manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
理念をここに再び
1865年米南北戦争終結前、奴隷制廃止の憲法修正をめぐる政治ドラマ。リンカーンが共和党だったことも知らず、民主党が南部の奴隷を使う農場主に支持され、それに対して奴隷制廃止を掲げて共和党が結党されたことも知らなかった。アメリカ政治史に関する自分の無知を痛感。
時代の流れ、個々の登場人物の価値観、政治的理念、感情と言動の繋がりをとても丁寧に描いている。特にトミー・リー・ジョーンズの存在感が際立っていた。
2012年の作品だが、リンカーンが憲法の条文に結実させた理念を、150年近くを経た今、改めて真正面から描くことに、スピルバーグが現代の米国と世界を見つめる目と問題意識を感じたい。
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