「時を逃さない洞察と覚悟」リンカーン グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
時を逃さない洞察と覚悟
思っていたより落ち着いた作品でした。観て良かったです。
南北戦争終盤の奴隷制度撤廃に向けての議会の攻防。リンカーン大統領の人となりや信念への情熱がダニエル・デイ=ルイスの名演を通して、じっくりとしみこんできました。
印象深かったのは、成すべき時を逃さない洞察と覚悟。トミー・リー・ジョーンズ演じる人権急進派スティーブンスとの議論にこめた、静かな気迫にゾクっとしました。
スティーブンスも聞く耳の持ち主で良かった、反対のための反対は何処にも行きつけません。
議場でのやり取りは、議事録などの資料を参考にしているのでしょう、緊迫した舌戦でした。
態度を決めかねている議員をコミカル演じたウォルトン・ゴギンズ、なかなかおいしい役どころだったんじゃないでしょうか。投票に際しての私達の立場に近いと思えます。最後まで迷う、一票の重みも心に響きました。
参政権の議論の時、黒人より女性の方が怒号が大きかった、そういう時代。でも登場した夫人達は、かなり強烈な印象を残してくれました。
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