「アゾグを見習え」ホビット 決戦のゆくえ しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
アゾグを見習え
本作で、戦いの激しさは一気に沸騰し、雰囲気もずっと戦場ゆえ、悲壮感はまだ薄いものの、1,2作のユルさほどではない。
戦局、戦法度外視の一騎打ちで締めるのは、まあ、全然好物なので問題ないけど、いまいち戦闘能力がどいつもこいつも1作から本作までブレブレで、これまでじっとため込んだ(というか、俺は我慢した)5時間近くつきあった分のうっぷんを晴らすことなく、その場その場で派手なアクションで終わってしまった感が強い。
旅するドワーフは、どっちみち最後まで出番がない面構えなのでまあ、どうでもいいんだけど。
でも、やっぱりレゴラスはあそこは、あんな奴、女エルフの代わりに、仇討にして、瞬殺!!じゃないと駄目でしょう。ずるずる足場崩れのアクションなんか、2作目の樽とおんなじじゃん。
肝心の時に弓切れ、というのは笑ったが。
ずいぶん説教臭い最終章だなあ。と思ったけど、劇中どいつもこいつも金に目がくらむのがいい。一番まともなのは、オークたち、っていう。なんてピュアなこと。
主人公も本作の一番アガるところでは欠場、という「らしい」展開はいいし、こいつがとことん大事な局面で、ひょうひょうとした態度をとるのも、また取れるのも、指輪の力もあった上でのことで、その調子の良さが「人間」臭くてよい。
その辺は晩年までの指輪への執着に、旅の思い出以上のものを感じさせる。
追記
昔からロールプレイングゲームに興味があまりなく、またドラゴンとか、騎士とか、そういう世界に疎いので、この世界観に浸れることは結局なかったが、中盤の大御所トリオ勢ぞろいとか、あの辺が一番眠かったわ。
追記2
この手の映画には、ドワーフみたいな観客が必ずいるのだが、3D眼鏡をかけたら、今度は「パシフィック・リム」のイエーガーみたいで、ごはんを食べるかのようにポップコーンをむさぼる絵は、相当気持ち悪い光景で映画よりそっちで笑かしてもらった。