よく知りもしないくせに

劇場公開日:

よく知りもしないくせに

解説

世界各地の映画祭で注目を集める韓国の俊英ホン・サンスが、アート系映画監督のギョンナムと、ギョンナムをめぐる人間模様を軽妙なタッチで描いたラブコメディ。映画祭に審査員として呼ばれた映画監督ギョンナムは、そこでかつての親友サンヨンと遭遇する。サンヨンの家で彼の妻と共に飲み明かすギョンナムだったが、翌日、なぜかサンヨンから絶交を言い渡されてしまう。数日後、済州島を訪れたギョンナムは、先輩チョンスの妻となった元恋人スンと再会し、関係を持つが……。

2009年製作/126分/韓国
原題または英題:Like You Know It All
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2012年11月10日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

2.0自分のことしか知らない

2020年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ク・ギョンナム監督は堤川国際映画祭の審査員として招待され、関係者たちと飲み会を始める。そこで酔っ払った者同士が同じ部屋に放り込まれたため・・・後から実行委員長のコン・ヒョニに意外な出来事を聞かされる。次の日はかつての友人サンヨンに偶然出会い、彼の家で飲むことになったが、そこでの出来事も意外な展開が待ち受けていた。

 12日後。済州島で学生たちに講義をした後、またもや飲み会。その二次会でかつての恩師であるヤン先輩に出会い、彼の新居に招待される。彼の再婚相手がプロポーズもしたことのある元恋人だった・・・。

 飲んでばっかりのク監督。作る映画も芸術的で理解できる人も少ない。本音として「自分のことしか知らない」などと言ってるところから、登場人物にも感情移入できない作りになってるのだろうと想像できるが、人の気持ちもわからないから「よく知りもしないくせに」という言葉が出てくるのだ。台詞だけの説明なのでレイプ事件があったとか、サンヨンの妻に失礼なことをしたとかは不明のまま。とにかく相手を怒らせる性格の持ち主の監督なのだ。

 済州島での出来事も昔の恋人が登場したことで、欲情が蘇ってきて、つい寝てしまったことで地元の青年たちに詰問されてしまう。その修羅場から逃げ出し、元恋人コ・スンと海辺で語り合うのだが、そこでもヤン先輩のことを何も考えずに、「俺と結婚していれば・・・」などと言うものだから、しっぺ返しのように「よく知りもしないくせに」とスンに言われてしまう。

 低予算のインディーズ風の作りのため、それほど褒められるべき映像はないのだけど、主人公が独りよがりの映画監督だということが伝わってくる。このク・ギョンナム監督はホン・サンス監督自身を投影させたものなのか。それとも戒めとして描いたものなのだろうか、ともかく人間関係が大切であり、映画にも人の気持ちを描かないとだめなんだろうなぁ。などと書くと、「よく知りもしないくせに」と怒られそうだが・・・

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy