劇場公開日 2012年12月21日

  • 予告編を見る

「重厚な映像だが」レ・ミゼラブル(2012) xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5重厚な映像だが

2013年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

もうすぐアカデミー賞の授賞式ですね。
そのなかで、主演男優賞、助演女優賞、作品賞など主要な部門でノミネート
されている「レミゼラブル」。だからというわけじゃないけど、今ごろになって見に行きました。
確かに映像は重厚かつ濃厚だった。特に、幕開けとなった大雨の中を、囚人たちが大きな船を引くシーン。囚人のひとりジャンバルジャン役のヒュー・ジャックマンは頬がこけ、それでいて目だけギラギラしていて、すごい迫力だった。このシーンは出色な出来栄えだった。
それに、憎き警察官ジャメール役のラッセル・クローも、身を落とした女性フォンテーヌ役のアン・ハサウェイもその役柄にのめり込んだ様子が見てとれる。

映像もいい。役者もいい。歌もうまい。
なぜか、僕の評価は低い。
そう、ストーリーに難がある思った。この映画、2時間40分あるのだが、30分切っていたらもっと素晴らしいものになっていただろうと思う。
全体に饒舌すぎるのだ。例えば、恋するふたりの道先案内役となった娘の片思いにここまで時間を取られる必要があったか。
例えば、狂言回し役のいかれ夫婦。ヘレナ・ボナム。カーターがやっているのだが、全然目立たず、つまらないと思ってしまった。
舞台では、一息つくところで大事な役なんだろう。

ミュージカルということで、大仰になってしまうのだろう。
文学的古典というのも大袈裟なところを持っている。
人間の内面の悲しみを、歌にするからなのか?
本当の深い悲しみは表現できていないように思った。
(まあ、アカデミー賞へのノミネートで、僕の感想は当たっていない。
というひとがほとんどなんだろう)

xtc4241