「今話題の「原作改変」・・・でも、これは「原作改悪」の言葉が相応しい」脳男 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
今話題の「原作改変」・・・でも、これは「原作改悪」の言葉が相応しい
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連続テロ事件の犯人を追う精神科医と刑事、そして容疑者として浮上した「脳男」の活躍を描く物語。
首藤瓜於の江戸川乱歩賞受賞作の映画化作品です。原作未読ですが、映画に相応しくしようと膨らまし、中身をスカスカにしてしまった作品のように感じます。
まず、キャラ設定が無理。
精神科医にドン引き。弟を殺され、その殺人犯を精神科医として観る設定はあり得な過ぎて興がそがれます。
刑事も無駄に暴力的でドン引き。「静の脳男」、「知の精神科医」とのコントラストを付けたかったのかもしれませんが、無理があり過ぎます。
物語でいえば、脳男がテロ犯を特定出来る理由がわかりません。「現場で犯人を目撃して」は分かりますが、犯罪現場にすぐに駆け付けられるわけはありません。テロ犯罪なのですから、警察だって野次馬の監視は重点的におこなっているでしょうし、それを先んじるのは無理があり過ぎます。
クライマックスの連続爆発は、映像としては頑張っていましたが、サイコサスペンスとしての不気味さも一緒に吹き飛ばしてしまった印象。
ラスト。更生を誓って出所した少年の再犯は、あり得ることなのでしょうが・・・それを映画で描かれるのは・・・個人的には好感を持てません。そもそも、脳男が少年を視認する中盤のシーン自体があり得なさ過ぎて驚いたということもあり、より不愉快に感じました。
この少年は、映画オリジナルキャラだったようですが、原作の面白さを無駄に下げただけのように感じてしまいます。
私的評価は2。映像的に頑張っていたと・・・と感じた位です。
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