ホーム・スイートホーム2 日傘の来た道
劇場公開日:2003年6月28日
解説
「釣りバカ日誌」シリーズの栗山富夫監督が老人介護の問題に取り組んだ「ホーム・スイートホーム」の第2弾。徘徊する父の介護のため故郷に帰ってきた息子の奮闘を描く。出演は柴田恭兵、財津一郎、石田えり。
2003年製作/113分/日本
配給:シネマエンジェル
劇場公開日:2003年6月28日
ストーリー
大手商社でエリートコースをわき目もふらず走る正岡秀清(50才)(柴田恭兵)。昇進の辞令をもらい、喜び勇んで帰宅する。が、カルチャースクールでダンスのインストラクターをしている妻・律子(45才)(石田えり)は留守、長女・明日香(17才)(冨貴塚桂香)とは玄関先ですれ違い、長男・秀一(14才)(浅利陽介)だけは家にいたが、さっさと夕食を終え自分の部屋に入ってしまう。一人きりで淋しくビールを飲む秀清。そこに鳴り響く一本の電話。声の主は、今治に住む秀清の姉・節子(53才)からだった。「お父さんが、買い物の途中で家に帰れなくなってしまったのよ……」。松山空港に出迎えてくれた幼なじみ・秋山民雄の車で実家に着く。そこで、父・秀臣(81才)(財津一郎)と対面した。「おう、秀清か。猪食うか?」。近所の人たちとカラオケを歌って盛りあがっている父のいたって元気な姿に拍子抜けするのだが、その翌日、秀臣は散弾銃を持って山へ入っていった。徘徊が始まったのだ。くたくたになって秀臣を探し回った日の夜、実家では叔父の善吉(70才)が秀清に言った。「今治へ帰って来い。それが長男の義務じゃ」。だが、「自分たち町のもんが面倒みるけえ」と言ってくれた民雄に後を任せ、秀清は帰京するのだった。家族の関係は冷え切っていて気持ちはすれ違うばかり。そこにまたもや今治からの電話が鳴り響く……。厳しかった父に反発を覚えながらも、秀清は一人今治に帰る決心をする。汗だくになりながら、徘徊する秀臣を探し回る日々が続く。ある日、秀臣と二人で出かけて行った、戦時中の記録映画の上映会の場所で、村上貫太郎(織本順吉)・和歌子(原日出子)のふたりと出会う。少し呆けた義父の世話を続ける和歌子との出会いは、心身共に疲れ切った秀清にとって、一服の清涼剤のようであった。やがて、ぜんそくを治すために東京からやってきた秀一とともに、町の人たちに支えられながら、秀清はだんだんと父と向き合っていく。