惜春(1952)

劇場公開日:

解説

製作は小川吉衞と高木治郎の共同。「三万両五十三次」の木村恵吾が自ら脚本を書きおろし、新東宝で初めてメガホンをとる。撮影は「恋の蘭燈」の小原譲治。出演者は「結婚行進曲」の上原謙と山根寿子、「生き残った弁天様」の笠置シヅ子、「ある夜の出來事」の清水将夫、「ラッキーさん」の斎藤達雄、それに清水一郎、東野英治郎、伊藤雄之助らである。

1952年製作/102分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1952年3月26日

ストーリー

藤崎実は銀座の楽器店につとめる安サラリーマン、プロ野球見物が唯一の楽しみという温厚な男であった。だが郊外の彼の住み家は頗る豪華、というのは彼の妻が今をときめく流行歌手衣笠蘭子で、彼女の莫大な収入がそのまま夫婦の地位を決定づけ、実はいつも女房の尻に敷かれている亭主だった。最近、彼女は関西公演の話がすすんで、家の中はたえず出入りする芸能界の人々でゴッタ返していた。一ヶ月の公演契約で蘭子が出かけて行った後に、家政婦として実の前に現れたのが蟻安たか子というしとやかな女性だった。たか子の細かく気のつく世話ぶりに家庭的雰囲気をとりもどした実は、いつか秘かに彼女を愛すようになった。一度結婚に破れているたか子も温和な実を恋していた。二日続きの休日、実のひかえ目な誘いに応じてたか子は、彼とともに日帰りで熱海に出かけた。二人は一日を楽しくすごすうち、つい終列車に乗りおくれ、旅館に泊まることになった。実はたか子の体を激しく求めたが、彼女は必死に逃れて駅で一夜を明かした。翌朝たか子は後悔している実に愛を告白した。だが蘭子のことを思えば、二人はお互いの愛を諦めねばならなかった。数日後の嵐の夜、二人の心は再び燃えあがり、蘭子が帰り次第すべてを打明ける決心をした。しかし演奏旅行から帰った蘭子は、実の子をみごもっていると彼に告げた。実とたか子の愛は春の夜の夢のように消え去らねばならなかった。

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