恋の蘭燈
劇場公開日:1951年12月28日
解説
製作は「ブンガワンソロ」の佐藤一郎で、「赤道祭」の佐伯清が、「暁の急襲」や「さすらいの旅路」のシナリオ協力者井手雅人と一緒に脚本を書き、監督に当たったもので、撮影は「夜の未亡人」の小原譲治である。出演者はかつて日華提携映画「東洋平和の道」に出演、最近まで香港の永華電影公司の映画に出演していた中国の映画女優に、「ブンガワンソロ」の池部良がつきあい、「この旗に誓う」の夏川静江、「ブンガワンソロ」の森繁久彌、「さすらいの旅路」の暁テル子、その他伊志井寛、岡村文子などが助演している。
1951年製作/84分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1951年12月28日
ストーリー
汪麗華は中国人の父と日本人の母との間に生まれた美貌の混血娘であったが、父の死後母に渡せと遺言された高価なダイヤの指輪一つを持って遥々日本を訪れた。しかし父に聞いた住所にはすでに母はなく、探しあぐねて生活のため横浜のキャバレーの唄姫になっていた。「銀座の雀」というあだ名の与太者佐竹は気のよい男で、麗華のために方々探してやっていたが、遂に貿易会社の社長井原謙太郎と再婚した青山敏子がその人であることをつきとめた。が敏子は過去を秘して嫁いだので強くそれを否定した。そこで謙太郎の前妻の子純一に佐竹が事情を打ち明けたことから、純一と麗華とは知り合い、互いに好意を持ち合った。「自分たちの平和を乱さぬため、日本を去ってくれ」との敏子からの手紙を見たとき、麗華は中国へ帰ることを決意したが、純一の愛情にだけは心をひかれたが、紀子からの中傷でそれも思いあきらめた。そして彼女のダイヤをねらっている佐竹の親分大崎の企みにおちて密輸船に監禁されるが、燿子からの知らせで純一が駆けつけ事なきを得た。敏子も事情を知った夫謙太郎から晴れて許され、麗華のもとへ駆けつけたのだった。