さすらいの旅路(1951)

劇場公開日:

解説

製作は「小原庄助さん」の岸松雄、原作は講談倶楽部に所載、大林清の小説『流行歌手』で、岸松雄が新人井手雅人と共同で脚色したもので、「高原の駅よさようなら」の中川信夫が監督に当っている。撮影は同じく鈴木博。出演者の主なものは、「ブンガワンソロ」の若山セツ子、「覗かれた足」の龍崎一郎、「高原の駅よさようなら」の田崎潤、柳永二郎、ビクターの暁テル子などに、淡谷のり子、小畑實、榎本美佐江、渡邊はま子などのビクター専属歌手が特別出演している。

1951年製作/86分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1951年11月9日

ストーリー

野川美津子はバアの女給だったが、その恋人の流し歌手小原亮一とその相棒塚本とは同じアパートに住んでいた。美津子はバアのお客でレコード会社の企画部長である山崎亮一の歌のテストをたのみ込み、亮一は見事に準専属になり、やがて作曲家松永をパトロンにする歌手御園ゆかりと一緒に吹込んだレコードがヒットして、ゆかりとのコンビをうたわれる流行歌手となった。と同時に、世間は亮一とゆかりとの間を噂し出した。亮一の気持には変りはなかったが、ゆかりの策にのせられて美津子は二人を誤解した。亮一はそんな彼女をののしって関西の演奏旅行へ旅立ってしまった。大阪まで亮一を追って行った美津子の見たものは、彼女の誤解を一層深める情景で、傷心の彼女は山中温泉の伯母の許へ身をよせた。いまは亮一から去った塚本に北陸の宿でめぐり逢い、美津子の誠意をきかされ、山中へ彼女を訪ねて行った亮一も、再び追って来たゆかりに引き戻されて行った。夏が去り、秋が来たとき、ゆかりというコンビに去られた亮一は、どんどん人気を失い、自暴自棄の果て銀座で刃傷沙汰を起して入院していた。伯母にすすめられた結婚を間近かにひかえた美津子もその新聞記者を読むと堪えられなくなり、亮一の許へかけつけた。再び美津子の手で看病され、亮一は更生を誓うのだった。

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