処女は真珠の如く
劇場公開日:1947年6月17日
解説
「待ちぼうけの女」「お光の縁談」「結婚(1947)」等の新藤兼人と新人光畑碩郎の協同脚本を、「愛の先駆者」「お光の縁談」(池田忠雄と協同)の中村登監督の本年度第一回作品。撮影は「愛の先駆者」「お光の縁談」「象を喰つた連中」の生方敏夫が当る。「金ちやんのマラソン選手」の幾野道子、「象を喰つた連中」の原保美と朝霧鏡子、「深夜の市長」の空あけみらが出演。
1947年製作/73分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1947年6月17日
ストーリー
桜丘女学校のランニング選手圭子は来るべき大会に備え連日猛練習をしていた。両親を早く失った彼女は翻訳をしながら就職口を探している兄進と二人暮しだった。隣家に引越して来た秋山家には高校生の哲夫と女学生の由岐子がいたが、圭子はすぐに由岐子と友達になった。その頃、兄の進は前から親しかった敏江と結婚したが、新らしい姉が来てからは、気を利かしたつもりの圭子が秋山さんの家へ遊びに行く時間が多くなった。そしていつしか哲夫に淡い恋心を抱くようになっていた。選手権大会を目前に控えたある日突然進は北海道に勤めが決まった。大会を前に学校を去ることは圭子にとってたまらなく寂しいことだったが、妹の気持を察した進は大会のすむまで圭子を秋山家に預ってもらうことにした。大会の日が迫るにつれ、圭子の心はふっと曇ることがある。やがて大会がすめば哲夫とも別れて北海道へ行かねばならない。そんな気持が時々もの悲しく圭子の胸の内を行き過ぎるのだった。こうして大会の日が来た。圭子の最後の力走で桜丘高校はみごとに優勝した。高らかに上がる歓呼の声、しかしそれも圭子にとっては悲しい別離の叫び声だった。