江戸の悪太郎

劇場公開日:

解説

「恋山彦」のコンビ比佐芳武と村松道平の脚本を、同じく「恋山彦」のマキノ雅弘が監督した大友柳太朗の浪人もの。撮影は「江戸っ子判官とふり袖小僧」の伊藤武夫。

1959年製作/90分/日本
劇場公開日:1959年12月13日

ストーリー

江戸、そして時代はいつでもよい。徳川の天下も定まり、侍が槍一本で功なり名をあげるということはもう昔話になってしまった頃……これは剣持三四郎という濶達正義の一青年浪人の物語である。話は茂兵衛長屋に寺小屋を開く三四郎のもとに、武家の未亡人お栄の息子弥一が商売道具を壊してしまった一人の少年を連れて来たことに始まった。長屋には三四郎の親友三山、三山の妹おすみ、女金貸お勘などの貧乏人が住んでいた。その頃、信州伊那の長者手代木家では当主五左衛門の跡とり娘浪乃が親の定めた婿を嫌い江戸に出奔したというので先代隠居ともども江戸の鍵屋太兵衛を訪れたがみつかるべくもなかった。一方長屋を見下す崖の上に住む直参旗本秋山典膳はなかなかの悪党だった。やとい占い師道満上人に巷の人気が集まったのを見て祈祷所の建立を企てた。敷地として白羽の矢を立てたのが茂兵衛長屋である。長屋の人々を脅して逆に三四郎に乗込まれた秋山は、その夜三四郎に闇討ちをかけたが斬り払われてしまった。伊那の長老が娘をさがしていることを知った秋山は五左衛門と先代を道満に引き合せ、言葉巧みに金を巻上げた。勿論長屋を買い取るための金である。お栄がお勘から借りた一両をもって仕入れに出た弥一はその夜その金を道に落し帰りかねていた。弥一を迎えに出たお栄はかねてより卑しい心を抱いていた道満の所に連れ込まれ、入水して果てた。三四郎から道満の悪を知らされた長屋では買い戻しの資金集めに大童だった。三山の提案で芝居小屋を借り名人会を開くことにした。秋山一味に脅かされて蔵人達は来なかったが、かえって今では長屋に住んでいる浪乃や三四郎たちの素人芸が喝采をあびた。業を煮やした一味は茂兵衛に二倍の金額をふきかけて来た。弥一が失踪した。母の仇と道満のもとに斬り込む弥一を追って、三四郎も祈祷所に向った。醜く逃れんとする道満を斬り捨てた三四郎は弥一を逃がし、秋山一味を迎え撃った。弥一の知らせで道満に長屋買い取りの金を出していたのが自分の家だと知った浪乃は泣いて長屋をとび出した。乱闘は長屋に移ったが、人々の協力で勿論秋山一味は逃げ去った。騒ぎのすんだ長屋の三四郎の家に二挺の駕篭が止った。手代木の隠居九左衛門が花嫁姿の浪乃をつれて来たのである。三四郎と浪乃のよろこびごとに長屋の人々は歓声をあげて喜んだ。空は限りなく青い江戸の春である。

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