まぼろし鷹
劇場公開日:1959年7月24日
解説
高橋繁夫の原案を「決闘不動坂の大仇討」のコンビ、金田光夫が脚本化、山田達雄が監督した時代活劇。撮影は「隠密変化」の山中晋。
1959年製作/79分/日本
劇場公開日:1959年7月24日
ストーリー
四代将軍家綱のころ、尾張藩では藩主・宗継の世継ぎをめぐって羽生大膳らの陰謀が企まれていた。しかし宗継の嗣子・月丸と、その弟・星丸は共に文武両道に秀で、しかも鷹を肩に忽然と現れる忍者の伊吹幻四郎のために容易に目的を果せなかった。ところが恒例の鏑馬で月丸が突如落馬して大怪我、発狂する事態が起きた。大膳はこの機に乗じ、まず首席家老・柘植三郎兵衛を倒したうえ、一味の占い師・須賀を使って宗継をそそのかし、藩内の忍者・結城一族と伊吹一族を戦わせ、伊吹一族の幻四郎を討ちとろうとした。幻四郎は、試合の話を父・伊織から聞いたが、両家の争いには極力反対した。が、伊織は、幻四郎が好意を持つ結城家の娘・綾乃を想う故と解し、言分を聞かなかった。試合の日が来た。第一戦の伊織と綾乃の母・浅茅との戦いは相討ち、二人は冷い骸と化した。第二戦は伊吹組の十郎太が勝ち、形勢不利と見た大膳は一味の忍者・天堂近房に伊吹一族みな殺しを命じた。天堂は、月丸の許婚・雪姫をさらい、三郎兵衛の家を焼払ってさらに幻四郎の家を襲ったがいずれも失敗、そのうえ三郎兵衛の腹臣・星野剣之進に一味の連判状まで盗まれた。やがて幻四郎と綾乃の試合--秘術を尽した末に綾乃は幻四郎の術に破れて高楼から転落した。綾乃の命は、大膳が不服を唱えるのを押し切って星丸が助けた。そして、これを機会に、月丸の世継ぎが正式に決り、結城・伊吹の両家は私怨を忘れ藩主に仕えることを誓わせられた。ところが、そのとき、幻四郎の裂昂の気合--そこに一同は宗継に迫る天堂の姿を見た。騒然たる城中--乱心をよそおい大膳の行動を内偵していた月丸は連判状を突きつけ大膳らの悪業を暴露、ついに天堂、大膳、須賀と一味は倒された。平和になった尾張城では月丸と新妻姿の雪姫、そして星丸、これまた新妻姿の綾乃と幻四郎たちが春の陽を受け楽しく語り合っていた。