一等マダムと三等旦那

劇場公開日:

解説

「一等女房と三等亭主」と同じく原案並木透(若い瞳)、脚本松浦健郎(江戸城炎上)、監督小森白で、撮影は「青春ジャズ娘」の西垣六郎、音楽は「わが恋はリラの木蔭に」の服部正が夫々担当。出演者は「陽のあたる家(1954)」の轟夕起子、「坊ちゃん社員 前篇」の伊藤雄之助、新人光岡早苗など。

1954年製作/74分/日本
劇場公開日:1954年4月13日

ストーリー

一等マダム浪路かもめと三等旦那海山千吉は、世間を憚る別居夫婦である。かもめは今をときめく人気スター。千吉はレストラン「並木亭」の支配人。たまたま、かもめの大阪行が決り、千吉は同行したいと頼むが、かもめは拒絶する。しかし折よく千吉の大阪出張が決り、奇しくも彼と彼女は同じホテルに泊り合せた。信吉は街で、嘘をついて帰郷していた「並木亭」の給仕ガール地図子に会った。地図子の姉の雛奴は忽ち千吉に惚れ込んでしまう。ホテルに押し掛けて来た雛奴と千吉の親しい様子を垣間見たかもめは、急にむかむかして来て、タクシーの運ちゃん宮本小次郎に、二人の尾行を命じた。小次郎は中々抜け目のない運転手であったので、かもめから重宝がられていたのである。或る日、千吉は旧友西川に巡り合い、料亭「一すい」に案内され、そこに雛奴を発見する。西川がふと、千吉は女房持ちだ、と洩らした事から、怒った雛奴は二人を伴って、かもめの出演している「メトロ」へ急行する。が、かもめは千吉を前にして、こんな人知らないわ、と白を切り、雛奴は胸を撫で下した。その後、かもめと千吉と、かもめの専属運転手となった小次郎が、相次いで帰京した。千吉は地図子に恋するようになった。そこへ雛奴が上京した。丁度その頃「並木亭」では、千吉の重役昇進を祝って、記者クラブのパーティーが開かれ、雛奴も来た。そこへ、遂に肝忍の緒を切ったかもめが駆けつけた。かもめは記者達の前で、この人は妾の夫です、と宣言した。かくして、かもめは“一等マダム”の、千音は“三等旦那”の異名を返上し、夫婦円満に元の鞘に収まったのである。

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