東支那海の女傑
劇場公開日:1959年5月15日
解説
小泉譲の原作を、内田弘三・下村尭二が共同で脚色し、「裸女と殺人迷路」の小野田嘉幹が監督した海洋スペクタクル。撮影は「女吸血鬼」の平野好美。
1959年製作/80分/日本
原題または英題:Queen of the China Sea
劇場公開日:1959年5月15日
ストーリー
終戦も間近かな厦門--そこでナイトクラブを経営する黄百花は、用心棒の密告によって、密輸容疑で憲兵に逮捕されんとするが、海軍司令部の横山大尉の口添えで、その難を逃れることができた。やがて終戦を迎え、横山大尉は上司の密命を受け、動乱の厦門を脱出せねばならなくなった。だが街にはテロが横行し、沿岸には海賊が跋扈、その脱出は容易なことではなかった。大尉は、貿易商の成見を通し海賊黄の援助をうけることになった。取引は駆逐艦一隻を黄に与えることで成立したが、頭目の黄はかつて大尉が助けたことのある百花であった。しかし二人はそしらぬ顔をして秘密の保持に努めた。百花、実は李花は、女だてらに荒くれどもを指揮し、宿敵漢万竜を倒し、東シナ海の制海権を掌握せんと企む女傑であった。しかし横山等が莫大なダイヤを持っていることを知った張と成見はこれを狙っていた。ある時、漢軍のジャンク船団出撃のニュースが入った。黄は出撃に出たが、洋上には黄等を嘲笑する小旗を立てたジャンクが一隻いるだけだった。本拠に連絡すると、応答がなかった。案の定留守部隊は全滅させられていた。漢一味と密通する者の奸計にかけられたのだ。黄は怒りにうちふるえた。とその時、血まみれになった無電手が入ってきて、成見を指し、何事か叫んで倒れた。横山は成見を詰問した。それを見た黄は、ぶった斬るという横山らから成見を引きとめた。かねて成見と打合せて事を起させた張は総てがばれることを恐れ、成見を黄から離させると射殺した。そんなことを露知らぬ黄はとって返し、激戦の末、漢軍を撃破、横山等を日本に帰す約束を果そうとしたが、中国官憲の艦艇が、黄、横山らに迫り、内部からは張がピストルを擬して彼らに迫った。だが田木艦長の果敢な行動に依って危機を脱出した。