橋(1959・日本)

劇場公開日:

解説

毎日新聞連載、大佛次郎作の同名小説の映画化。「春を待つ人々」の共同シナリオ執筆者の柳井隆雄が脚色、「「花粉」より 空かける花嫁」のコンビ・番匠義彰が監督、生方敏夫が撮影した。

1959年製作/94分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1959年3月4日

ストーリー

元提督の大内田良平は頑固爺で、長女・敦子の夫・谷口と衝突して家を飛び出し、旧部下の中山が住む廃屋に近い洋館に身を寄せている。中山や同じ旧部下の横田、上塚らは良平老人の気持を柔らげようと、四国生れの学生・松村三造を話し相手に世話した。しかし良平は皆に内証でニコヨンとなり、気の毒な女・千代のことでニコヨン仲間と喧嘩し負傷する始末。そんな良平を案じて、彼の次女で外国商社に勤める良子は、一緒に間借り生活をすることにした。が、良子は会社の都合で失職を余儀なくされた。良子の昔の同僚で今は貿易ブローカーの宮原洋一は、困っている彼女を見て自分の助手に雇った。宮原は資金を提供してくれるバーのマダム・おきくと関係があったが良子は知る由もない。しかも宮原は良子の清純さに次第に魅かれ、ある夜、結婚を申込んだ。良子も宮原の逞しさにいつしかひかれ熱海の宿ですべてを許した。良子から宮原との結婚話を聞いた良平は喜んだ。が、かねがね三造のような真面目な青年を娘の相手にと考えていたため何か寂しかった。三造もその気持は同じだったが、ある日、彼は偶然、宮原に会い、彼とおきくの秘密を知った。翌日、三造は良子を訪ね一切をぶちまけた。青ざめた良子は、おきくを訪ね、自分の給料までがおきくの手から出ていることを知った。彼女は金をおきくに返し、宮原との婚約を解消しようと決意、金策に歩いたが思うようにいかず、悪いと知りつつ、三造が郷里からもってきて谷口に贈った時価数十万円の徳利を金にかえた。良子から婚約解消の申し出を受けた宮原は、あくまで自分の心は変らないと誓ったが良子は受けつけなかった。その良子は、しかし徳利を持出したことで良平に激怒された。が、「先生は、良子さんに今日まで何もしてやらなかった。にも拘らず良子さんは先生と一緒に暮すため力一杯闘ってきた」という三造の言葉に、良平の心は折れた。そして、帰って行った三造が忘れていった襟巻を届けてやりなさいと良子に優しく云った。橋の上を行く三造、襟巻をもった良子がその後を追っていくのだった。

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