有楽町0番地

劇場公開日:

解説

東京・有楽町の新名所フードセンターに舞台をとる諷刺喜劇。「青空よいつまでも」の川頭義郎が監督する。松山善三・勅使河原宏・川頭義郎のオリジナル・シナリオ。撮影は「青空よいつまでも」の荒野諒一。主演は「彼奴は誰だッ」の瞳麗子(主演第一回)、脚本執筆の勅使河原宏(映画初出演)、「彼岸花」の高橋貞二、「女侠一代」の渡辺文雄などで、他に千田是也などヴェテランをそろえる。

1958年製作/96分/日本
劇場公開日:1958年10月7日

ストーリー

バー“OK”が有楽町0番地、フードセンターの地下街に開店した。不入りである。マダムの流さき子はフードセンターの人気者、小さな菓子店のレジ、小川正子に目をつけ引き抜く。ボーヨーとした街の詩人、路地は彼女のイメージで詩を書き、駅で詩集を売っていた。“OK”は正子をスカウトして以来、盛況を呈した。常連にはBBTVのアナウンサー・神部や、0番地のフードセンターをめぐる利権争いで対立する宮城区代表・三木、中心区代表・矢代などがいた。地下鉄サムは正子がレジをやっていた頃からの知り合いで、売子の金子と恋仲だった。彼は正子から店の金庫のありかを聞き出すために“OK”に通った。犬猿の仲の三木・矢代はどちらも政界のボス・黒洲を味方にして利権を握ろうとしていた。正子は路地と知り合い、彼の純な心に共感する。詩集を売るのを助け、彼の詩を朗読したりする。ある夜、店が終った後、正子が忘れ物を取りに戻ったとき、サムが金庫の金を奪って立ち去ろうとしていた。「お前も共犯だぜ」今まで正子が問われるままに話したことが、ぜんぶ犯行に役立ったからというのだ。サムが金を渡そうとするのをよけたはずみに、正子は非常ベルにふれてしまう。サムは捕り、正子の“美談”が新聞に出た。正子は困った。金子から殴られたのも無理もないと思った。神部は正子を自分の担当の善行美談の番組・「ここに泉あり」に出演させようとした。マダムが売り込んだのだ。玉砕した陸軍中将の遺児。病身の母を助け、弟妹を養っていると。マダムは三木と利害が一致し、正子を黒洲のイケニエにしようとした。が、矢代が女探偵を使って情報を探り、売春防止同盟の蟹江女史を連れて現場に乗りこんだ。黒州と女史が兄妹だったからとんだ茶番に終った。「ここに泉あり」の放送の当日、正子は神部から無理やり頼みこまれてステージに上った。刑務所では、サムの横のA16号が食い入るように、テレビの正子の姿を見つめていた。--ゲストはマダム・三木・矢代・黒洲などだ。皆、自己宣伝半分の、正子を讃える言葉を述べた。金子もサムの妹として紹介され、正子がサムのために保釈金をつくっていることに礼を述べた。路地も自分が就職しようと思いたつまでについて、正子に札を云った。正子の近所の小母さん・若尾やそが涙ながらに正子をたたえた。命の恩人ですと。これにはかくされた真実があった。やその息子・A16号は正子の婚約者なのである。警視総監代理がサム逮捕の表彰状を手渡そうとしたとき、正子は耐えきれずに叫んだ。「やめて下さい!みんなウソなんです。私はサムさんの共犯です。私を捕えて下さい」会場に大混乱が起った。三木・矢代・黒洲らは今までの紳士顔はどこへやらお互いの内幕をバクロし合う。もうメチャクチャである。警官が正子を逮捕しようとするが、路地や金子らが彼女を守る。そのとき、サムが共犯は自分のデッチ上げだと告白したとの報せがとどいた。--秋晴れのある日、正子はA16号--いや許婚者・三郎を、刑務所の門外で出迎えた。

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