シティ・オブ・ゴッド
劇場公開日 2003年6月28日
解説
原作は、初めてスラムの住民の視点からスラムの現実を描いた小説としてブラジルでベストセラーになった、パウロ・リンスの同名小説。これが第3作となる監督フェルナンド・メイレレスは、55年、ブラジル生まれ。主要登場人物60人、脇役150人、エキストラ2000人の群像劇で、60年代後半から80年代までのある街の変貌を描く。実際の街でロケ、主要人物のほとんどは、舞台となった街の近隣に住むアマチュア俳優たちが演じている。
2002年製作/130分/R15+/ブラジル
原題:City of God
配給:アスミック・エース
スタッフ・キャスト
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2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
スラム街の暴力のシステムと権力闘争はこんな風な仕組みになっているのだということがだいたいわかる映画.「神の町」のボスは敵対組織との争いで力を失って,少年たちへと世代交代する.そのシステムには腐敗した警察,武器と麻薬の承認などが主なプレイヤーなんだろうか.ジャーナリズムの従業員はほとんどが白い肌をしていてこぎれいなオフィスで働き,家のシャワーからお湯が出る.有色人種の血なまぐさい争いをネタにして,彼らがきれいな暮らしをしていることについてももやもやとするし,それはそれで現実として存在しているのでどうすることもできないんだろうか.いつまで再生産されることについての悲しみを感じるようで,軽快な描き方によってそれほど落ち込まずに済むのがありがたい.
2021年12月8日
Androidアプリから投稿
希望も光も見えないものを、これだけ情熱とリズムを持って描き切ることが出来るというのが、素晴らしい。
将来を捉えた主人公をよそに、銃でパン屋を襲撃しに行く子どもたちが、なぜ魅力的に映るのか。
暗い現実をどう生きるか?
愚痴や不平を言う前に、まず下を向いた顔を上げよう。
生きることは、行動することだ。
2021年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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実話だからだろう、一言で言えば衝撃作、アマゾン奥地の狩猟民族に近代的な武器を渡し、欲望を増幅させたらどんな狩りが起きるのだろうといった趣、ホモサピエンスが生き残ったのは信仰、宗教と言うフィクションの発明、共有だったのかもしれないという説もある。それですら部分最適化に過ぎず両刃の剣であるのだから、人類に埋め込まれた元来の利己的凶暴性のDNAは境遇次第でいつ覚醒しても不思議はないのかもしれない、恐ろしいばかりである。
スラムでは弱肉強食は当たり前、金は稼ぐのではなく奪えばいいだけ、警官も汚職まみれ、マフィアですらもう少しまともに思えるくらいの殺伐とした話。なにより辛いのは主役が子供たちであることでしょう、2時間余りも子供たちの非行の限り、仁義なき抗争を見せられるだけなので拷問を受けているような辛さは遺憾ともしようがない。社会派ドラマとうより告発、問題提起形ドキュメンタリー映画でしょう。いずれにしても、子供が不幸になる話は映画にしてまで観る気にはなれませんでした。
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