シティ・オブ・ゴッドのレビュー・感想・評価
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神の街で繰り広げられる"現実"
神の街と呼ばれるリオの貧民街が舞台の本作。
本作の魅力は本能的なカメラワークと素晴らしい演出が生み出すリアリティにあると思う。
冒頭の360°ぐるっと回るカメラワークや、荒々しいカメラワークなどが神の街にくらす者たちの心情や神の街の様子をうまく演出していると思う。
また、ラストで冒頭に写されたシーンに繋がるところはとても自然で素晴らしい。
この映画には他にも同じシーンが繰り返されることがあるが、回想シーンを挟むことでそのシーンの見方が変わるのもとても面白い。
そしてラストにブスカペの「僕は名前を変えた」という台詞とともに「事実に基づく話」と字幕ででてきた時は鳥肌が立った
とても素晴らしいカメラワークと演出で魅せる本作。個人的には2000年代を代表する映画の一つだと考えている。
信じられるか、これが現実だってことを…
恐ろしい実話
進行役のカメラマンのブスカペとリトル・ゼは実在する人物らしいがどこまで、実話なんだろう。。
子供があんな簡単に人を殺す世界は怖い。
しかもリトル・ゼが死んだ後も似たような子供たち''ストリートチルドレン''が街を支配しているのが怖い。
唯一良心的なベネも死んじゃうし、二枚目マネも憎悪の連鎖で殺されるし。。
警察もリトル・ゼに買収されてるし、国内部から腐ってた。
2002年のブラジル映画だが、今はどのくらい改善されたのだろうか。
映画としては構成も面白く、徐々に明らかになる感じも面白かった。
一時も目が離せなかった。
衝撃
実話だからだろう、一言で言えば衝撃作、アマゾン奥地の狩猟民族に近代的な武器を渡し、欲望を増幅させたらどんな狩りが起きるのだろうといった趣、ホモサピエンスが生き残ったのは信仰、宗教と言うフィクションの発明、共有だったのかもしれないという説もある。それですら部分最適化に過ぎず両刃の剣であるのだから、人類に埋め込まれた元来の利己的凶暴性のDNAは境遇次第でいつ覚醒しても不思議はないのかもしれない、恐ろしいばかりである。
スラムでは弱肉強食は当たり前、金は稼ぐのではなく奪えばいいだけ、警官も汚職まみれ、マフィアですらもう少しまともに思えるくらいの殺伐とした話。なにより辛いのは主役が子供たちであることでしょう、2時間余りも子供たちの非行の限り、仁義なき抗争を見せられるだけなので拷問を受けているような辛さは遺憾ともしようがない。社会派ドラマとうより告発、問題提起形ドキュメンタリー映画でしょう。いずれにしても、子供が不幸になる話は映画にしてまで観る気にはなれませんでした。
衝撃的
銃をおもちゃのように与えられ、子供の頃から殺しに馴染む生活。
小学校低学年くらいの男の子の足を撃つシーンはまともに見られなかった。
「子供にそんなことするわけない」という自分の中にあった常識が、いとも簡単に崩された。
リオを舞台にしたノンフィクションを担当した時に、「とてもリアルです」と訳者さんに薦められた作品。
ブラジル(サンパウロ)育ちのその訳者さんでも、「リオのスラム街には近づけない」と言っていた。
それくらい独自な社会規律がある世界らしい。
サンバの国ブラジルの中でも、特に華やかなリオ。
でも、その懐には、恐ろしく危険なスラム文化を抱え込んでいるらしい。
シティ・オブ・ゴッド
単純に銃やドラッグ、無法地帯的社会の暴露動画としての面白さを感じる映画。
しかしそれ以上に、貧困や階層といったものが一つの事象として存在するのではなく、確実に再生産性を持っているということを主張し、その再生産の遺伝性を問題提起している映画であると感じた。
またストーリーのキーマンではなく第三者の視点を軸に構成することで理解しやすく、ここにも上述した再生産性を感じ取ってほしい製作者の意図が汲み取れたように思える。
終盤を冒頭のシーンとして切り取る方法は、ある種王道ではあるが、この映画の場合は冒頭と終盤の同じシーンを全く違った印象で受け取ることができ非常に効果的なケースであったと感じた。
何で俺はこの映画を10年も放ってたんだ
観る前に「ブラジル映画だしどうせもっさりしててチープな映画なんでしょ?」とか思ってた自分をぶん殴りたい。
もう完璧。演出も脚本も音楽も言う事なしです。
これだけ暴力が日常化した世界が舞台なのに、狂言回しの主人公が何の勢力にも属さず暴力的でもないのが良いですね。
もしギャングの一員なんかが主人公だったりしたらここまで面白くは出来ていなかったんじゃないでしょうか。
物語の良心ではあるものの、あくまでこの異様な街の一部であり決して正義漢などではない主人公の絶妙なジャーナリストの立ち位置が、こういう話を説明させる立場として凄く上手いなあと感じました。
まあほぼ実話ですし、原作的に当然といえば当然なんでしょうけど。
あとは何と言っても脚本と演出。ラスト付近のあの伏線回収は完全に油断していただけに衝撃でしたねー。
演出もかなり映画的で、どんどん色んなキャラクターに焦点が移り変わり、テンポもよく話もひとつひとつがとても面白いため、全く飽きずに時間があっと言う間でした。
しかし相当暴力的な作品だと聞いていたんですが、グロいシーンがなかったのは意外でした。
子供が当然のようにコカインを吸い、当然のように銃を持ち、銃で撃たれ、殺される環境そのものがそう言われる理由なんでしょうか。
足を撃たれる所以外に直接的な表現はさほどなかった、というか出来る限り避けていたようなので、映像だけだとそこまで凄惨なシーンはないように感じました。
だから観やすい事は観やすいですね。暴力映画だからって敬遠するような作品ではないです。
食わず嫌いなんか本当もったいない。けど完全に人は選びます(笑)
あ〜何でもっと早く観なかったんだ!
かなりお気に入りになりました。
観る価値あり
町山さんオススメということで観ました。
期待を大きく上回った
ただのスラム街の無法さや、銃を持つ子供たちの虚しさが見どころだと思ったら、
まったくそれだけでなく、作品の構成が天才すぎる。狭い神の街での人々の繋がりが、視点や時間をコロコロ変えて描かれている。
作品の前後の繋がりが大切だから、しっかりついていかないと置いていかれてしまう(こういう作品が好き)。
カメラと銃、本当の意味での勝利は言うまでもない。
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