負ケラレマセン勝ツマデハ
劇場公開日:1958年1月9日
解説
坂口安吾の原作を「太夫さんより 女体は哀しく」の八住利雄が脚色し、「夕凪」の豊田四郎が監督した諷刺喜劇。撮影は「夕凪」の安本淳が担当した。主演は「猫と庄造と二人のをんな」の森繁久彌、伴淳三郎、淡島千景、「続サラリーマン出世太閤記」の小林桂樹。ほかに、望月優子、野添ひとみ、乙羽信子、有島一郎、左卜全などが出演する。
1958年製作/106分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年1月9日
ストーリー
東京の新開地にある「幌・内張株式会社」は自動車・オート三輪の幌を取替える店。この会社、小企業のサンプルみたいな小規模な組織で、使用人は小僧一人だが、重役諸公一家総出の働きで目下労働力に不足はない。ここの久吉社長の最大の悩みは“税金”である。昨年、久吉が病気でこの会社が全くの赤字であったにもかかわらず、不当な税金を容赦なく押しつけられたというので大憤慨。ヘソ曲りと自他共に許す久吉は、断固これをハネつけた。ところが久吉が憂さばらしに競輪場に出かけている留守に、税務署の役人が乗りこみ、商売道具をはじめ家具一切にペッタリと差押えの札を貼りつけてしまった。久吉の妻君はつ枝は、寿司屋をしている妹のお仙に、税吏の松井が気があるのに目をつけ、お仙をそそのかし色仕掛で税法のウラを嗅ぎ出させようと企んだ。しかし騙されたと知った松井が、怒りに慄えながら税吏の苦しさを語るのを見て、お仙はかえって彼に何か惹かれるものを感じるようだった。さて税吏来訪当日。久吉はあらかじめ用意していたノートを開きながら喋りまくるが、課長の堀部や松井のもの慣れた調子に圧倒されがちである。久吉の云い方は、昨年度会社は赤字だから税金を払う必要はない、というのだ。税務署側は、それなら異議申立てを税法通り申告しろという。この闘税問答は未解決のまま終り、遂に差押えのトラックがやって来るという事態にたち至った。だがその中に松井の姿は見えない。夜間大学生だった彼は税務署を止め、結婚するという。今度はお仙の方がホれこんでしまったらしい。荷物がすっかり運び去られた久吉の店は、さすがに寂しい。しかし、久吉も差押えによって納税の義務は果したわけである。苦しくとも彼は、再び明日から家族重役社員を率いて敢然と働くことであろう。
スタッフ・キャスト
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岡見久吉(自動車内張屋)森繁久彌
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はつ枝(岡見久吉の妻)望月優子
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康夫(岡見久吉の息子)三遊亭小金馬
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絹子(岡見久吉の娘)野添ひとみ
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友川お仙(鮨仙の女主人はつ枝の妹)淡島千景
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山本直助(古綿打直し屋)伴淳三郎
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お玉(山本直助の妻はつ枝お仙の妹)乙羽信子
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伸一(山本直助の子小学六年生)柏木純一
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松井圭吉(税吏)小林桂樹
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丸子太平(印形店主)有島一郎
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係長・谷山内海突破
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小女・お花小桜京子
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小僧・仁吉山遊亭金時
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ブローカー・秋山一竜斎貞鳳
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町の人A馬野都留子
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町の人B一万慈鶴恵
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外山(金貸し元閣下)左卜全
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受付の老人中村是好
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若い係千葉信男
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主任横山エンタツ
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課長芦田伸介
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部長沢村いき雄
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総務課長堀部藤村有弘
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税務署員A瀬良明
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税務署員B須永康夫
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予想屋江戸家猫八
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そば屋田中章三