母孔雀

劇場公開日:

解説

襲いくる苦難と試練に耐えて、愛情ひと筋に生きる母の姿を描いた“小説倶楽部”連載、竹田敏彦の同名小説の映画化。脚色は「おかしな奴(1956)」の笠原良三、監督は「水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼」の伊賀山正光、撮影は「怒れ! 力道山」の西川庄衛。主な出演者は「海の百万石」の三浦光子、「夕日と拳銃」の高倉健、「怒れ! 力道山」の田代百合子、「母恋月夜」の松島トモ子、その他園ゆき子、藤里まゆみ、日野明子、高田稔、増田順二、岡譲二など。

1956年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1956年12月5日

ストーリー

兜町の紅孔雀と謳われる紅一証券の社長・紅谷しず江には暗い過去があった。八年前、病気の夫と二人の女児を抱え、彼女は旅館で働いていたが、夫の不倫に逆上し子供を残して家出した。絶望の彼女は紅谷梅太郎という男に救われ、その妻となったが梅太郎は間もなく死んだ。しず江は梅太郎の子俊夫を抱え夫の仕事を継ぎ、これまで苦闘を続けてきたのだった。しず江は東海化学の増資権利を狙っていたが、秘書の三沢は作戦上、東海化学の社員小川淳子と親しくし始めた。一方、二十八歳になった俊夫には叔父の世話で良縁が重なっていたが、ある日、車で正子という少女を轢いた。正子を病院へ担ぎこんだ俊夫は、駈けつけてきた正子の姉淳子を知った。正子が治るまでに二人の間に愛情が芽ばえた。ところが俊夫から淳子と正子の名を聞いた、しず江は愕然とした。それは夢にも忘れえぬ我が子だった。我が子への愛情から、しず江は叔父の勧める俊夫の縁談に乗気になれず、これが親戚の非難を買った。そこで訪れてきた淳子に、しず江は心を鬼にして母であることを隠し、俊夫には既に婚約者がいると追返した。俊夫に裏切られたと思った淳子は自暴自棄で三沢の誘惑にかかった。一方、俊夫は、淳子の態度の不可解さに母をなじり初めて淳子と母の関係を知った。そして母の不甲斐なさに絶望、家を出た。しず江もここに意を決し淳子の許を訪れた。しかし淳子は三沢の魔手に危機寸前。これを追って、しず江は淳子を救ったが誤って三沢を殺した。やがて裁判が行われた。淳子は初めしず江の愛を疑っていたが遂に母に有利な証言をし、執行猶予と決った。親子四人に初めて幸福がよみがえったのである。

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