男性NO.1(1954)
劇場公開日:1955年1月3日
解説
「不滅の熱球」の菊島隆三の原案によって、「沓掛時次郎(1954)」の井手雅人が脚本を書き、「土曜日の天使」の山本嘉次郎が監督、「幽霊男」の山田一夫が撮影に当り、音楽は「億万長者(1954)」の団伊玖磨の担当。出演者は、「密輸船」の三船敏郎、「結婚期」の鶴田浩二、岡田茉莉子、「恋愛特急」の越路吹雪のほかに「この広い空のどこかに」の浦辺粂子、「幽霊男」の藤木悠、「流れ星三度笠」の徳大寺伸、清水元などである。
1954年製作/96分/日本
原題または英題:A Man Among Men
配給:東宝
劇場公開日:1955年1月3日
ストーリー
ダフ屋の取締りを一手にする“ビュイックの牧”は、腕っ節が強くバカ正直で気が短かい。彼はダフ屋の顔役“ラッキョウの健”が、招待券を法外な値で流しているのに腹をたてたが、口八丁・手八丁の健に簡単に丸められてしまった。牧にはバー・プランタンのマダムのタカ子という女があったが、タカ子は健に惚れていた。銀座のプレイガイドの売り子のみち子も健の為に切符の横流しをする程健に熱を上げていた。健はデパートの掃除婦をしている母親のおきみに、新橋裏に小料理屋を持たせたいという望を持っていた。健はダフ屋の親分犬井に歩合を増すといわれ、牧との約束を破って田宮の興行に手を出そうとした。牧が弟のようにしているボクサー島村を酒の肴にして、健が牧をののしると、牧は怒って暴れ警察に留置された。その間に健は切符を売ってしまった。健が貯めた金を預けてあった安全経済会が突然休業し、健はあわてるが、事情を聞いた牧は金策を引受けた。島村の試合に、田宮は犬井と合法的な八百長をやろうとし、金でつって健に島村誘惑の役をやらせた。怒った牧は健を追いつめ、案ずるおきみの目の前で殴りつけた。健は牧の真心と母の愛に目をさまし更生を誓った。牧と健は田宮等の悪行を知り、なぐり込んだが、牧は警官につかまった。おきみは牧を迎えに行き、牧は彼女の母性愛に涙にむせんだ。健は自分の為にクビになったみち子と結婚し、一緒に彼女の故郷名古屋へ行った。