宮本武蔵(1954)
劇場公開日:1954年9月26日
解説
幾度も映画化された吉川英治の小説を、劇作家北条秀司が劇化したものから、稲垣浩と「陽気な探偵」の若尾徳平が脚色し、稲垣浩が「お祭り半次郎」に次いで監督する。イーストマン・カラーの色彩映画。「七人の侍」の三船敏郎、「泥だらけの青春」の三國連太郎、「若い瞳」の八千草薫、「恋愛特急」の岡田茉莉子、「沓掛時次郎(1954)」の水戸光子、「かくて自由の鐘は鳴る」の尾上九朗右衛門をはじめ、小沢栄、加東大介、三好栄子等が出演する。
1954年製作/94分/日本
原題または英題:Samurai
配給:東宝
劇場公開日:1954年9月26日
ストーリー
新免武蔵と本位田又八は出世を夢みて関ケ原の戦さに参加して敗れ、伊吹山中をさ迷い歩くうち、お甲と朱実の母娘に救われた。又八は朱実に惹かれるが、彼女は男らしい武蔵に心を寄せる。ある夜、野武士辻風典馬一味がこの家を襲うが、武蔵は木剣で多くを倒した。お甲は彼に言い寄るが武蔵ははねのける。お甲は腹いせに又八と夫婦になり、朱実をつれて三人で出奔する。武蔵は故郷宮本村に帰るが、又八の母お杉婆は息子が帰らないのを武蔵のせいにして恨んで、関所破りとして役人に追わせる。沢庵和尚は山中に逃げた武蔵の心が荒むのを憂え、又八の許婚お通と二人で武蔵を連れ出し、沢庵は武蔵を杉の大木に吊りさげて武道一点ばりの彼を戒める。その夜、お通は彼を救い、二人は助け合って逃げた。お通は追手に捕えられ、武蔵は彼女を救うため姫路域に忍びこもうとする。彼の人物を惜しむ沢庵は、お通の無事を告げ、彼を天守閣にとじこめ文を学んで道を開けと教える。その頃お甲と朱実は京都で料亭を営み、剣の名門吉岡清十郎は朱実に恋したが、彼女は今も武蔵を思っていた。城内で三年の修業をつんだ武蔵は見違えるような人物となり、その年月城下で武蔵を待ったお通と、心を鬼にして別れ、修行の旅に立った。