魔子恐るべし
劇場公開日:1954年6月15日
解説
東京タイムズに連載された宮本幹也の原作を、「芸者小夏」の梅田晴夫が脚色し、「若い瞳」の鈴木英夫が東宝入社第一回作品として監督する。撮影は新人鈴木斌夫、音楽は「若い瞳」の松井八郎。出演者は「さらばラバウル」の根岸明美、「芸者小夏」の森繁弥、「大阪の宿」の藤原釜足のほか、新人藤木悠など。
1954年製作/91分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年6月15日
ストーリー
八カ岳の野性女魔子は、道に迷って知り合った画家福田を求めて、初めて都会に出た。途中、車中で同席した新宿の与太者山カンこと山村寒三はマコを温泉マークのホテルに連れこんで毒牙に掛けようとするが、新宿のボス井田の子分ノミ健等の襲来に殴り倒され、反対にマコに介抱された。マコの純真無垢に感激した山村は、マコの父の言いつけでマコを監視する神出鬼没の術の持主茂助と協力して、マコの美しい肢体を狙う井田親分やストリップ演出家丸目昆太の手から守ろうとする。丸目から逃れ国技館の丸屋根の上で茂助と落ち合ったマコは、場内から聞えてくる「福田ッ!」の声に思わずリングに駈け上り、福田の相手のレスラーを打ちのめす。しかしこれは同名異人の福田であった。この事件で警察の留置場にほうりこまれたマコは、丸目に身柄を引取られた。丸目は、福田と会う為にはスターになるのが早道だと説くので、マコもとうとうストリッパーになるのを納得した。ノミ健も井田の前でいやがる彼女に全ストをやらせようとする。しかし急を知って駈けつけた山村と茂助が彼等を打ちのめした。マコは山村に故郷へ帰るようこんこんと意見されるが、福田を死んでも探しだすのだと、暗い夜の街を疾風のように走り去った。