夜の終り

劇場公開日:

解説

製作及び脚本は「午前零時」の本木莊二郎と菊島隆三、「吹けよ春風」の谷口千吉が監督に当り、「次郎長初旅」の山田一夫が撮影している。美術は「夫婦」の松山崇、音楽は「煙突の見える場所」の芥川也寸志。出演者の主なものは、「あゝ青春に涙あり」の池部良、「縮図」の沢村貞子、「江戸ッ子判官」の岡田茉莉子、「ひまわり娘」の清水将夫と村瀬幸子、「総理大臣の恋文」の三益愛子、「抱擁(1953)」の志村喬。

1953年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年4月8日

ストーリー

午後十二時、下水工夫の木崎新二は飲み屋「ピエロ」の女給美代と別れを惜しんで仕事のために大都会の地下へもぐって行った。三年前に故郷を出て来たときの大きな夢は最早ないか、美代と一緒になれる日を唯一のたのしみにしていた。午前四時仕事を終って地上へ出て来た彼は、道ばたに酔いつぶれた男の鞄から札束の覗いているのを見て、思わずその男を殺してしまった。午前五時には警察の手配がまわった。午前七時に新二は美代を連れ出しに「ピエロ」へ現われるが、ここも追われ、午前十二時、街の顔役松田に拾われ、競争者の黒田殺害を命じられるが、自己嫌悪にかられて自動車から逃げようとし同乗の松野をピストルで射った。午後再び美代の姿を求めて「ピエロ」に現われ、美代が思わず声をあげて彼の名を呼んだことからまたしても警官に追われた。午後十二時、鳩の街で高熱に倒れそうな彼を親切に介抱した女小夜子も、彼の身の上を知ると嫌悪をこめて彼の金をたたきかえした。午前六時、自殺も出来なかった彼はようやく自首する決心をした。夜明けの日光がはじめて彼の顔を明るく照した。

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