忠治旅日記 逢初道中
劇場公開日:1952年10月16日
解説
玉木潤一郎の企画により「流賊黒馬隊 暁の急襲」の比佐芳武の脚本を、東映に移った佐々木康が始めての時代劇映画演出と取組む。出演は「暗黒街の鬼」の千惠藏が久しぶりの股旅姿で、「続馬喰一代」の轟夕起子と嘗てのコンビを取戻す。その他「チョイト姐さん思い出柳」の小夜福子をはじめ上田吉二郎、滝沢修、進藤英太郎等にテイチクの安城美智子が特別出演している。
1952年製作/102分/日本
配給:東映
劇場公開日:1952年10月16日
ストーリー
勘太郎を背に赤城を下った国定忠治は、勘太郎の生みの母おしのが信州に居るとの風のたよりに旅へ出た。忠治信濃街道潜入との情報に色めきたつ御用の網の数々を影の如くつき添う玩鉄、文三等の子分に守られ、大戸の関所はじめ幾多の危難をおかして加部安左衛門の許まで来た。途中執拗に道連れになりたいという旅の女お半は、実は八州役人の命を受けて忠治探索の旅をしている女だったが、妙念寺の一夜ふとした気の縺れで今は忠治に首ったけだった。安左衛門の家を出た忠治が次に草鞋をぬいだ先の藤兵衛の仕打は冷たく、続いて忠治召捕万端を整えていた熊五郎の家に泊まったが、お半の投げ文で危うく逃れた。新田屋の女将おしのが尋ねる勘太郎の母親である事を知り、新田屋に草鞋をぬいだ忠治はおしのに理を尽して語ったが、おしのの母性は既に死んでいた。しかし熊五郎の兄弟分万吉の入れ知恵でおとりとなったおしのは非を悔い涙を流して折れて出た。その夜忠治召捕の御用が続々と階下に集い、これに気づいたお半の知らせで忠治は血路を開き加部に勘太郎の身の上を頼むと、身一つになって街道を渦巻く御用の中に飛び出し、二足草鞋の万吉、熊五郎を叩き軌ると、山街道をお半の手をひきずる様に逃れていった。