十六歳
劇場公開日:1960年10月1日
解説
基地に住む少女を主人公にした悲劇で、打木村治の原作を「雑草のような命」の三木克巳が脚色し「あじさいの歌」の滝沢英輔が監督した。撮影は「拳銃無頼帖 不敵に笑う男」の横山実。
1960年製作/95分/日本
原題または英題:Reckless Drivers
配給:日活
劇場公開日:1960年10月1日
ストーリー
基地周辺の農村。玉川せん子は中学の三年生で、バドミントン部のキャプテンをしている。父親の金造は納屋を改造し、オンリーの美加代に貸していた。せん子は、彼女の派手な生活がなんとなくうらやましかった。ある日、美加代がドライブに連れていった。旦那フィッシャーも一諸だった。抱きあう二人をせん子は好奇な目で眺めた。--せん子はラケットを買うため茶摘みのアルバイトをした。部長の中根先生がそんな彼女をいじらしく思い、ラケットを買ってやると約束した。そして、ある夕、二人は抱き合った。同じバトミントン部の本間先生も彼女を狙っていた。せん子は大会に優勝したが、部を辞めなければならなかった。美加代たちが家を出ていったので、家の状態が苦しくなったためだ。卒業と同時に就職することになり、本間がコネをつけてくれることになった。下宿を訪れたせん子は、体を奪われた。彼女は東京の工場に勤めた。本間の子を宿した。本間は堕ろせと言った。せん子は家へ帰ることもできなくなった。キャバレーに働く美加代を訪ねた。話を聞いた美加代は、中根に言った。彼女を救えるのは先生だけだと。中根は本間を殴って学校を辞めた。本間もクビになった。暗い夜霧の中を、中根は荷物を自転車に乗せて運んでいた。側を軍用トラックが通りすぎる。そのライトの中に毒々しい化粧の女が立っていた。せん子だ。彼女は逃げた。その時、横からトレーラーが疾走してきてせん子を轢いた。中根は彼女を激しく抱いた。彼女の死顔は美しかった。