警視庁物語 血液型の秘密 聞き込み

劇場公開日:

解説

警視庁物語シリーズの第十三十四話。「男は騙される」の長谷川公之の脚本を、「警視庁物語 深夜便一三〇列車」の飯塚増一が監督し、「消えた密航船」の三村明が撮影した。

1960年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年6月21日

ストーリー

◇血液型の秘密 野犬が嬰児の死体を発見した。死後三日、血液型はO型だった。林・金子刑事は、嬰児のおむつの、酒屋“伊浪”と書かれた手拭を手がかりに、親許を洗った。長田・山形刑事は嬰児の肩にあるあざを手がかりに捜査した。二組の捜査班がアパートひかり荘で顔を合わせた。ひかり荘に住む吉本夫婦の子供だったのだ。夫婦は留守だった。吉本は女を作り、半年前から妻と別居中だった。母親安子は事件の三日前に吉本に赤ん坊を押しつけてきたとか。さらに、当日吉本から安子へ電話があったことが分った。安子は一時、勤務先の所長野崎と同棲していたという。吉本は小料理屋に下宿していたが、店の道子と関係を結んでいた。道子は妊娠四カ月。安子が轢死体となって現われた。遂に吉本がアパートへ姿を現わした。安子に電話したのは、安子と手を切るため、安子に野心をもつ野崎に合わせるためだったといった。子供も、自分の子か野崎の子か分ったものではないと言い張るが、血液型はO型だった。折も折、野崎と安子らしい男女が泊ったという旅館の女中が現われた。事件の当日なのだ。しかし、真相は意外なところにあった。安子が親子心中を図り、赤ん坊を殺したがその時は自殺することができず、その後鉄道自殺したのだった。赤ん坊は吉本の子だった。◇聞き込み 靴屋の石川平作が溺死体となって発見された。彼の所有する土地が何者かによって売却されていた。計画的殺人と思われた。捜査班は犯人の逃亡を怖れ内密に活動を始めた。平作の土地はクリーニング屋が買っていた。平作の息子石川一郎と名のる男から買ったという。平作は独身だった。が、石川一郎に土地売却を頼まれたブローカー小野が語る石川の人相はまるでちがう。平作に靴直しを頼んだ踊子の靴が、古道具屋で発見された。古道具屋の主人の語る石川の人相は、クリーニング屋の証言と一致した。小野はなぜ嘘をついたか。小野は偽名を作っていた。本名は秋田清、地面師の前科があった。長田・金子刑事は、事件の夜、平作が梅寿司に姿を見せ、二人前の寿司を注文した事実をつかんだ。寿司を届けたというアパートの部屋、そこは嬰児殺し事件で顔なじみとなっていた吉本と道子が住んでいる一室だった。道子が連行され、遂に平作殺しの全貌を自供した。平作の土地に目をつけた吉本は、道子を使って平作をアパートへ誘惑、湯漕に沈めて殺害したという。それを多摩川に投げこんだのだ。秋田は、吉田とかつて同僚であり、吉本の犯行を成功させ、儲けの二割を得ようとしたのだ。捜査本部は、吉本の新しい女邦子を通して吉本を呼び出し、逮捕した。

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スタッフ・キャスト

監督
脚本
長谷川公之
企画
斎藤安代
撮影
三村明
美術
北川弘
音楽
小川寛興
録音
内田陽造
照明
銀屋謙蔵
編集
祖田富美夫
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映画レビュー

3.5連作のような作りの二作品

2022年5月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

[血液型の秘密]
いつもながら操作の経緯を丁寧に描いているので引き込まれる。ただ、容疑者の血液検査のシーンを引っ張りすぎで、その分ラストが呆気ない。
[聞き込み]
こちらも犯人に迫る捜査陣の動きを丁寧に描いていて良い。このシリーズに刑事役で出ていた大村文武が悪役なのも面白い。

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Mr. Planty

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