華麗なる闘い
劇場公開日:1969年9月10日
解説
有吉佐和子原作の『仮縫』を、「恋にめざめる頃」の大野靖子が脚色し、監督は「街に泉があった」でデビューした浅野正雄。撮影は、「俺たちの荒野」の中井朝一。
1969年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1969年9月10日
ストーリー
清家隆子は、戸田洋裁学院の中からスカウトされ、高級洋装店「パルファン」に、勤めることになった。その経営者は、パリ帰りの松平ユキ。そこで隆子は、パルファン式の特殊な採寸裁断等に感嘆の目をみはった。しかし、最も隆子を魅了したのは、ルイ王朝風の豪華な「お店」そのものだった。「このお店を自分のものにしたい!」という隆子の願いは、いつしか決意へと変わっていった。そんな折ユキが経営不振をよそに、パリへと旅だった。後を託され張り切った隆子は、新企画をうち出し、その成功によって、一躍ファッション界の新星として、脚光を浴びるようになった。そして隆子にも、自分自身のファッション・ショーを開ける日が来た。そのショーの前日隆子はユキ急拠帰国の報を受け取り、一抹の不安を感じた。不安は的中した。滞仏作品特別ショーと銘うったユキのショーは、漸新なデザインで、隆子を圧倒した。うちのめされた隆子を、ユキは楽屋に呼びよせ、冷やかに別れを告げた。激しい打撃の後で隆子は、「私の人生はまだやっと仮縫いが終ったばかり」とつぶやき、新たな人生の出発を誓うのだった。