監獄への招待
劇場公開日:1967年9月2日
解説
義永充の原案から、「陸軍中野学校 密命」のコンビ舟橋和郎がシナリオを執筆し、井上昭が監督したアクションもの。撮影は「早射ち犬」の上原明。
1967年製作/87分/日本
原題または英題:An Invitation to Jail
配給:大映
劇場公開日:1967年9月2日
ストーリー
天才的ペテン師河西義男は手形詐欺で捕まり、獄中生活を送っていたが、米軍基地内に麻薬を侵透させている反米組織のへンリー野坂に瓜二つであることから仮釈放され、戸田警部に協力することになった。河西はその代償にFBIのスタッカーから三万ドルを貰うことで承知したのだった。アメリカへ連れていかれた河西はFBIの手で、ヘンリー野坂の身ぶりから話し方まで身につけるよう教育され、日本に帰ってきた。一方、戸田警部は日本に来た野坂を巧妙なやり方で捕え、精神異常と信じ込ませて監禁した。素早く野坂にすり代った河西は、組織からの連絡通りユダヤ系ドイツ人グラウに会った。そして、グラウの手に麻薬が届き次第、河西が受取るという交渉をまとめた。グラウの家に招かれた河西は、彼の娘ルミと親しくなった。しかし、河西の身辺には見張りの波川が常につきまとい、河西は一瞬の油断もできなかった。ある日、河西の挙動に不審の念を抱いた波川は、彼が野坂本人であるかどうか確かめるとグラウに言い、野坂の幼友達のGIディクソンと会わせることになった。河西は焦ったが、戸田警部は二人きりの部屋で野坂本人とディクソンを会わせ、波川の疑感を解いた。だがすぐに河西は、再びピンチを迎えた。野坂の妻加代子が現われたのだ。加代子はすぐ河西の正体を見破ったが、河西は彼女を戸田警部にまかせた。一方波川もようやく河西が野坂の替えだまだと気づいたが、疾走する車の中で河西に倒され、高速道路から転落していった。その頃、グラウの手に麻薬が入り、あるパーティの席上で引渡しが行なわれることになった。その日、パーティには各国の米軍基地から麻薬引き受け人が受取りに来ていたが、河西の合図で戸田警部ら一隊がなだれ込み、グラウらは逮捕されたのだった。グラウの娘ルミは、自宅で自殺していた。彼女を心底から愛していた河西は、傷心のまま再び刑務所に戻っていった。