東京無宿(1966)
劇場公開日:1966年5月14日
解説
「顔を貸せ」の湯浅浪男がシナリオを執筆、自ら監督した“ヤサグレ”シリーズ第三作目。撮影は門口友也。
1966年製作/87分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1966年5月14日
ストーリー
ヤサグレの銀二郎は、長い旅行から東京に帰り、仲間の仲田や高山と銭湯で旅の疲れをいやしていた。ところが、隣の女湯から時ならぬ嬌声が聞こえてきた。そこでは、新宿のヤサグレ輝美、照子や、コールガール雪野、初江などが、ふとしたことから大乱闘を演じていた。この雪野や初江は大友興業という偽装解散をした暴力団の、唯一の資金源であった。社長の大野や専務の角田は、金融業の大西や、彼の秘書山田をくどいて、何とか金をださせようと企み、一方の大西は暴力団につけいり、大友興業の黒幕として、甘い汁を吸おうとしていた。やがて、銀二郎は、旧知のヤサグレ留美子に再会し、また仲間たちとともに、オキビキや美人局を始めた。ある日、ヤサグレ仲間の一人チコは、スケート場で、伸一という同郷の少年と知りあった。だが、さすがにチコは自分がヤサグレだとは言えぬまま、デパートの店員といつわって交際を続けるうち二人は次第に愛しあうようになっていった。が、そんなうちにも風呂場での乱闘がくされ縁で、ヤサグレたちは、大友興業の若者たちにつけまわされるようになってしまった。これを心配した留美子は単身大友興業にのりこみ、自分の身体と引換えに、仲間の身の自由を買いもどした。大野はこれ幸いと、留美子を大西の人身御供にした。だが留美子も、これを逆に利用して、大西との情事のテープを種に大西から三十万円をまきあげて悦にいった。が、こんなことがあって以来、大友興業は、ヤサグレ仲間を眼のかたきにしだした。そんなウップンを晴らすため、ヤサグレたちは、温泉プールで遊んだり、今を盛りと咲きはころ梅林で、いきどころのない若さを発散させたりした。もともと彼女らがヤサグレになったのも、何ものにも束ばくされない、自由への憧憬が、大きな原因になっていたのだから……。今さら暴力団の大野が彼女らを、自分の意のままに動かそうとするのはドダイ無理な話であった。そんなある日、銀二郎からいよいよ大友興業の大野らが、目の色を変えて、彼女らヤサグレたちを探しはじめた、ということを聞かされた。ヤサグレ仲間も団結して、これに立向い、遂に、留美子らの機知と団結で、大友組を再起できぬまでにたたきのめした。ヤサグレたちはまた気ままに夜の繁華街に散っていった。