黒幕

劇場公開日:

解説

佐賀潜の同名小説を、堀江和夫が脚色、小林悟が監督した推理もの。撮影は倉田武雄。

1966年製作/83分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1966年2月19日

ストーリー

大阪道修町界隈の薬メーカー密集地。強精剤“王精”の発売元として、独走する岩倉製薬で“王精”一五〇梱包が盗まれた。社長の岩倉は、東京の赤玉製薬の謀略とにらんだ。強精剤とビタミン剤は大人のお菓子として、薬業界は莫大なかけをして、いわば戦国時代と称されている。大阪岩倉製薬、東京赤玉製薬との虚々実々の苛烈な謀略戦が始まった。東京日本橋の赤玉製薬では、プロパーと呼ばれる社長直属の販売特殊任務員がいた。利根五郎と千石静香はこの別名謀略部隊の重要な働き手であった。赤玉の主力問屋の極東薬業の社長鳥羽は、一くせある人物で、赤玉製薬の社長西条は、鳥羽が岩倉に寝返ったと聞いて、利根と千石を探りに出した。年は若いが鋭敏に動く千石の美しさに、利根はいつか職業を離れた興味を抱いていった。一方大阪の岩倉は“王精”の製造元由良京太を誘い東京の神田に“淡路製薬”という店を出した。だがその店はプロパー利根によって、灰燼と化した。一方赤玉製薬でも、工場に賊が入り、ビタミン剤と精力剤が大量に盗まれた。東、西のプロパーの暗躍が始まった。赤玉薬の盗みに動いた大和久三次という男は、やくざで金でどっちにでも動くという男だ。情報をつかんだ利根は、岩倉製薬にむかう途中、赤玉派の一味に襲われ、ドラムかんにつめられ海中に投げられた。だが、かつて顔みしりの大和久は秘かに利根を助けた。東のプロパーの雄利根の死を知った岩倉は、自分の計画が図にあたったのを喜んだ。岩倉はライパル赤玉製薬の計画倒産をもくろみ、千石静香を使って、赤玉にもぐりこみ、情報をつかんでいたのだ。一方利根は、岩倉の計画に気づき、真実糾明に立ちあがった。その頃警察は、赤玉事件を追求し、岩倉逮捕にふみきった。余罪追求の末、薬業界の謀略はついに明るみに出た。プロパー利根と静香は、みにくい企業の争いにまきこまれたおろかさを、身にしみて感じるのだった。

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