黒い賭博師 悪魔の左手
劇場公開日:1966年1月27日
解説
「黒い賭博師 ダイスで殺せ」の小川英と「野獣の青春」の山崎忠昭が共同でシナリオを執筆、「野郎に国境はない」の中平康が監督した“黒い賭博師”シリーズ第八作目。撮影もコンビの山崎善弘。
1966年製作/93分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年1月27日
ストーリー
回教国パンドラ王国の若い国王アブダラ三世は、野心に燃える賭博大学の技術部長“教授”にあやつられて、すべてのギャンブルを国営化し、その利益で水爆を買入れ、世界を支配しようとしていた。そして、この計画の第一歩になる日本のギャンブル市場の獲得に邪魔なギャンブラー氷室を亡きものにしようと、氷室に対決させるべく選りすぐった三人のギャンブラーと親衛隊を極秘裡に日本に潜入させた。ところがこの馬鹿気た計画を知り、何とかこれを思いとどまらせようというアブダラ三世の第二王妃チューリップこと春野うららは、彼等の計画を断念させるために氷室を護ろうと、彼のあとをつきまとった。そんな氷室に盲目のギャンブラー第一号がダイスで勝負を挑んだ。しかし氷室は、巧みに隠された第一号のイカサマを見破り、敗れた第一号は彼をつけていた親衛隊のために殺された。続いて日本の暴力団のボス蒲郡をポーカーで散々の目にあわせた少年第二号が、一度目はボーリングで、二度目は競艇で氷室に勝負を挑んできたが、これも少年が敗れ、少年は親衛隊に殺された。この間氷室をやぶる科学的データーを記した“ファイル8”を持つうららは、これを取返しに来た教授一味に狙われていた。一方の氷室は、教授につきそわれた第三号ど呼ばれる婆さんと地下室の賭博場で対決していた。婆さんの奇策で氷室は負け続けた。が、その時、氷室を慕う女、時子が回教徒が忌み嫌う豚をもって、とびこんできた。この奇襲に落着きを失った婆さんは、それ以後氷室に敗け続け、勝負は氷室の逆転勝ちとなった。氷室は、この密閉された部屋に爆薬が仕かけてあるのを知り、外にひそませていた彼の子分チョンボの助けで時子、うららたちと部屋を脱出した。運のつきたのを悟った教授は残り、数分後そのまま部屋は爆破された。この計画の失敗で、アブダラ三世もめざめ、もとの平凡な国王に帰った。大任を果した氷室は、またあてどないギャンブルの旅にでていくのだった。