四つの恋の物語(1965)

劇場公開日:

解説

源氏鶏太原作“家庭の事情”より、「青春のお通り」の三木克巳が脚色、「悲しき別れの歌」の西河克己が監督した女性もの。撮影は「泣かせるぜ」の岩佐一泉。

1965年製作/日本
劇場公開日:1965年12月29日

ストーリー

三沢平太郎が定年退職した夜、四人の娘は菊ごはんで祝ってくれた。妻なきあと、男手一つで育てた四人の娘。長女の一代は結婚に破れたが、二美子にはきまった相手がいるし、三也子は快活、志奈子も素直な娘で、何も心配はいらなくなった。平太郎は退職金を五十万円ずつ分配すると、経済的責任から解放され、自分の生活を楽しもうと宣言した。五十万円ずつもらった四人の娘は、その使途もまちまちであった。一代は喫茶店の経営を考え、二美子は婚約者の長田の商売を助けるため、そっくり与え、志奈子は競馬に賭けた。三也子は、その頃見知らぬ青年から花束を送られ、五十万どころではなかった。青年は平太郎と同じ会社に勤め、同じビルの花屋に勤める志奈子のもとから花束を贈っていたのだ。志奈子の奔走もむなしく、数日後青年は平太郎を訪れ、正体を現わした。平太郎の会社の重役尾崎の息子で、三也子に一目惚れしたのだ。いつもの三也子に似ずはしゃぐ姿を、訪ねて来た久保隆太は驚きの目で見た。数日後、志奈子と一緒に競馬場に行った三也子は、帰途尾崎に誘われドライブを楽しんだ。同じ時、隆太は、チンピラ学生と喧嘩したあげく、病院にかつぎこまれた。隆太の母親代わりと自認する三也子は病院にかけつけたが、尾崎の面影は去ることがなかった。隆太は病床で尾崎の存在を知り、初めて三也子への愛の深さを知った。心痛に泥酔する隆太をよそに、四人姉妹は尾崎の出るサーキットへと出かけた。だが二美子はそこでレーサー姿の女性と親しくする長田を見て心を痛めた。しかも長田はその女性と恋愛関係にあるというのだ。二美子にとって、その日は暗い日となった。数日後、隆太の老母が上京し、三也子を隆太の嫁にと平太郎を訪れた。その日、三也子は尾崎からプロポーズされ尾崎の両親に会っていた。迷う三也子に、一代は結婚は愛情だけではないと説いた。再び隆太が入院した。組合工作がばれて、工員に袋叩きにあい負傷したのだ。子供っぽい隆太に怒りながらも、三也子は看病にいそしんだ。そんな純粋な心に打たれた姉妹は、それぞれ建設的な人生を歩むことを決心するのだった。一方平太郎は金めあてで、つきあう芸者玉子をすて、娘たちのもとへ帰って来た。二美子も、長田と別れ、一代も志奈子と念願の喫茶店を経営。三也子は隆太と新しい門出をした。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5昭和の癒されるホームドラマ

2021年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

芦川いづみ、十朱幸代、吉永小百合、和泉雅子と当時の人気女優を4人集めて4姉妹の淡い恋話(実は親父の話も)それぞれを描くホームドラマかな(当時としてはお正月の娯楽大作)。TVはまだまだドタバタやっていた時代に、大きなスクリーンにカラーでお目当ての女優に会いに行くのはいいもんだ。テンポのいい早口で姉妹の掛け合いも秀逸。しかし、この時代の映画はなんであんなに早口何だろうといつも思う。芦川いづみや笠智衆は少し前からのベテラン俳優だからかそうでもないが、二人を除いてほんとに早くて言葉が聞き取りにくいのは私だけか。そんなこと考えると今のアニメを含んだ映画やTVドラマはメリハリのあるテンポよいしゃべりになっているのは進歩していてあたり前なのだが敬服に値すると思う。
さて、この映画は4人の人気女優を集めたとはいえ、その人気目当てで作ったのではなく、脚本がしっかりしているのか最後まで一気に見てしまった。重い映画ばかり見ている人がたまにこういうのを見ると精神が癒されるのではないか。そういう意味で見る価値がある映画の1本だと思った。ホントいやされますよ。
尚、西河監督と言えば、青春もの。吉永小百合主演の青い山脈。若い人。歌手の山口百恵の潮騒、伊豆の踊子、絶唱等百恵作品を撮っている。

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猪名川のキンさん
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