孤独の賭け
劇場公開日:1965年3月10日
解説
五味川純平の同名小説を「大捜査網」の長谷川公之が脚色「肉体の盛装」の村山新治が監督した風俗もの。撮影は「刑事 (デカ)」の坪井誠。
1965年製作/96分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年3月10日
ストーリー
乾百子の親兄弟は、叔父夫婦に騙されて土地家屋を奪われ貧苦に耐えかねて死んでいった。親兄弟に取り残され一人ぼっちになった百子は、叔父夫婦への復讐を誓って上京し、洋裁店ボヌールの縫い子になった。そんなある日百子は、マンモス娯楽センターを経営する、若い野心家千種にあった。千種は百子のいうままに、二百五十万を投じて、借金に苦しむボヌールを乗っ奪りそれを百子に預けた。さらに千種は、叔父夫婦に追われた百子の生家を三百万を投じて買い取り、百子に与えて念願を叶えてやった。それは千種が単に百子の新鮮な肉体に魅かれただけではなく、百子がはっするエキセントリックなバイタリティに興味を持ったからだった。復讐を終えた百子は、事業欲に燃えた。ボヌールのマダムに収った百子は名声を得る為、全国デザイン・コンテストに応募し、奇抜な演出で一躍スターダムにのし上った。しかし百子は、いつまでも千種の世話になるのを嫌い、千種の友人北沢から紹介された証券マン布井を利用し金を貯め、さらに生家の土地をも売りはらった。一方世界的な歓楽境を作ろうと膨大な夢を持つ千種は、東日コンツェルン会長赤松やその幹部大垣、さらに高利貸東野などを金蔓に、着々と工事を進めていった。一方百子の従妹美香は、百子のために士地を奪われ貧苦にあえぐ家をとびだし、百子のもとにころがりこんで、放らつの限りをつくして百子を困らせた。百子の親友信子も、美香に恋人をとられて自殺した。そんなうちに千種は新社屋を完成させた。が、金融の引締で、経営は挫折し、赤松や大垣も、そんな千種を見離した。今では一流ホテルのアーケード・ショップに店を出す百子は、落ち目の千種に借金を返そうとした。だが、千種は、それを拒み、影のようにつきそう秘書京子を連れて、淋しそうに去っていった。