白日夢(1964)
劇場公開日:1964年6月21日
解説
谷崎潤一郎の同名小説を「日本の夜 女・女・女物語」の武智鉄二が脚色、監督した風俗もの。撮影は萱沼正義。
1964年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1964年6月21日
ストーリー
流行歌手千枝子と青年画家倉橋は歯科医の診療室で治療を受けていたが、倉橋は麻酔を打たれ、夢心地になっていった。--医師と看護婦のようすが変り、千枝子は医師におかされた。そして、ナイトクラブに千枝子を訪ねた倉橋は千枝子に迫る医師の姿を見て、倉橋は千枝子を救おうと決心した。さらに医師と千枝子はホテルへ向った。倉橋も後を追った。そこには千枝子が医師からのさまざまの拷問を甘受する姿があった。倉橋は悲壮と快楽との入りまじった表情でながめていたが、逃げ出した千枝子の後をおって路上に出た。しかし倉橋がいくら追いかけても、千枝子は遠いところへ行ってしまうのだった。あるデパートの屋上で倉橋は千枝子にめぐり会い、救いの言葉をかけたが、医師が突然姿をあらわし再び千枝子を奪った。千枝子を見失なった倉橋は都会の雑踏の中で医師と、千枝子をみつけ短刀で刺すが、医師は傷つかず、かえって千枝子を傷つけてしまった。医師の姿は消え、路上に半裸の千枝子の死体が横たわっていた。青年は大声で通行人に訴えるが、誰も相手にしてくれない--。倉橋はうなされて夢から醒めた。千枝子はすでに治療を終て診察室を出ていた。しかしこの白日夢は、倉橋の頭をついてはなれなかった。