出撃
劇場公開日:1964年4月4日
解説
高木俊郎の原作を「喜劇 陽気な未亡人」の八住利雄が脚色「霧子のタンゴ」の滝沢英輔が監督した戦争もの。撮影は「浅草の灯 踊子物語」の横山実。
1964年製作/100分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年4月4日
ストーリー
太平洋戦争も末期、知覧特攻基地から第七次特攻隊が出撃して行った。その午後、川道少尉をはじめ各地から特攻員達が集って来た。死を目前に隊員達は陽気だった。なかでも少年飛行兵出身の桐原軍曹は人気者で、有村という女学生から贈られた鈴を大事に胸に下げていた。そんな頃、川道少尉の新妻一枝が知覧にやってきた。それを知った大木隊長は、川道の外泊を許可してやるのだった。翌朝、第八次特攻の命が下った。一枝や勤労動員の女学生有村の見送る中、特攻隊は出撃していった。だが、間もなく川道機と桐原機は機の故障で帰って来た。若い桐原は胸の鈴をひきちぎり「俺は卑怯者でない」と号泣した。そんな相原も川道は「特攻とは犬死することじゃない。俺達は当然のことをしたんじゃないか」と慰め、自分自身に言い聞かせるのだった。やがて第九次特攻隊か編成された。その中の榊少尉と志賀少尉だけは、自由主義思想の持主で、特攻に疑問を持っていた。それを聞いた川道は、今の日本を救うには特攻しかないのだと二人にさとすのだった。翌朝第九次特攻隊は出撃。川道機は再び帰って来た。知覧には東京に帰ったはずの一枝がいた。B29の爆撃に会って引き返して来ていたのだ。川道は自分の行為が妻への未練と思われている、と知って呆然とした。やがて第十次特攻隊の出撃日が来た。そしてまた川道はエンジンの故障で帰って来た。三度出撃して三度帰った川道は、飛行団長の誤解をまねいた。一枝が知覧にいるからだと、川道は彼女をせめた。だが、一枝は妻として当然の事をしているだけだ。数日後試験飛行に出た川島機は故郷の家の空を旋回し、海岸に墜落していった。