泥だらけのいのち

劇場公開日:

解説

「エデンの海(1976)」の馬場当がオリジナル・シナリオを執筆、「丘は花ざかり(1963)」の堀池清が監督した青春もの。撮影は「アリバイ」の高村倉太郎。

1963年製作/81分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年12月8日

ストーリー

次郎は白タクの運転手だ。ある日、次郎の白タクと塚田組のチンピラ慎一とサブの乗った車とが衝突した。たよるあてのない次郎にとってこれは致命的なことであった。その日から次郎の姿が塚田組にあらわれ始めた。強情な彼の態度に、塚田組の兄貴分花井は惚れこみ車代の修理代を作ってやった。花井も根っからのやくざではなく、鉄火肌の光枝にほれてズルズルこの世界に入った男だ。次郎に、昔の自分を見た花井は、親しみを感じ組に入る事を誘ったが次郎は拒絶した。しかし、その次郎も、アネ御型の光枝に、いつかひかれていた。そういう彼をハラハラ見ていたのは孤児で幼馴みのみどりだった。勝気なみどりは彼の生活をたて直そうと、貯金の中から修理代を支払ったが、もうおそかった。そんな頃、次郎と花井はライバル森原組と格闘の末、森原の乾分古川を傷つけ懲役三年にふくした。この事件がきっかけで、塚田組の勢力は衰退し、光枝も、花井との子太郎をつれて、バーで働いていた。自分がきっかけで、皆んなが不幸になったと悩む次郎は、この時から“塚田組、次郎”といれずみをして、塚田組を助けることに奔走した。みどりも、そんな彼の気持を知りつつ、彼に、愛情を感じていた。そんな次郎の所に傷のいえた古川が、復讐と称して太郎を誘拐した。血相をかえて対決した古川と次郎、ついに、思いあまってゴルフのクラブで古川を倒した次郎は、追われる身となった。みどりの助力もあって、次郎は、汚れた身を愛してくれるみどりに感謝しながら、「兄貴が出所するまで太郎を預ると」姿を消した。それから三年、今では本もののやくざになった次郎は、自分を父だとしたう太郎に、後がみをひかれながらも、おちぶれた森原組に復讐する気もなく、自首しようと去っていった。「パパ、パパ」と叫ぶ太郎の肩に、みどりの涙に光る目がやさしく、落ちていた。

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