関東遊侠伝
劇場公開日:1963年8月11日
解説
瀬戸口寅滋原作“昭和水滸伝”より「俺は地獄の部隊長」の山崎巌と藤崎誠孝が共同で脚色、「男の紋章」の松尾昭典が監督した任侠もの。撮影もコンビの岩佐一泉。
1963年製作/100分/日本
原題または英題:The Kanto Gambler's Fate
配給:日活
劇場公開日:1963年8月11日
ストーリー
大正末期、東京・両国の寝静まった街中を一台の人力車が走っていった。車引きの精悍な身のこなしは、一見してただ者ではないとわかった。車の前に躍りでた暴漢を撲り倒したこの車引きを見ていた、トギ安は「両国には高遠組をはさんで巴組と千羽組のシマがある。巴と千羽は同格だけに高遠を自分の縄張りに収めようとしのぎを削っている……」とおしえた。露店の軒を並べる縁日、高遠組と千羽組の縄張り争いが起きた。人混みからじっと見ていた例の車夫は、必死にとめようとしている女の顔をみて、ハッとした。今は車夫をしている外岡大作は三年前賭場のもつれに巻き込まれ、関東政と呼ばれる流れ者の弟を刺殺したのだ。この追われる大作に自首をすすめ、堅気になるよう進めた女こそ、今縄張り争いの渦中にあって乾分達をなだめている女である。再生の道を歩き出そうとした大作は、恩人の女が高遠の留守を守っているセツと知って高遠組に入って助けようと決心した。その頃、千羽組には不気味な正体不明の男が居ついていた。その男こそ、大作を弟の仇と狙う関東政である。大祭りの近づく直前、高遠組のシマが千羽によって立ち直ることが出来ぬ程荒されたのだ。組再建の資金集めにまわる大作に、ほれこんだ巴は、巴組に入るよう誘うのであった。金作りに奔走する大作のところえ、トギ安が大金を持って現われた。花篭親分の妹菊江が愛する大作のために身売りをして作った金なのだ。大作は自分の躯を高遠組が立ち直るまで預けるから菊江を自由にしてやってくれと頼んだ。大祭を無事に終えた夜、手打式の宴をあとに大作は、短刀を片手に決闘の原へ向った。弟の仇を討とうとする関東政の手にも短刀が光った。渡世人の宿命が荒野を走った。