愛と死のかたみ

劇場公開日:

解説

山口久代原作“愛と死のかたみ”より「考える葉」の棚田吾郎が脚色、「燃える南十字星」の斎藤武市が監督した純愛ドラマ。撮影もコンビの高村倉太郎。

1962年製作/101分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年11月21日

ストーリー

福井市のある保険会社出張所に働く田辺阿佐子は、教会で知り合った青沼から結婚を申し込まれた。東京からきた母の千世も、亡父の親友だった中沢所長から青沼が屈指の織元の息子と聞いて喜んだ。ところが、青沼家から死刑囚と文通しているような女とは結婚させたくないと断ってきた。三年前、教会から貰った伝道用の雑誌で博多刑務所の野崎潔という死刑囚の手記を読んだ阿佐子は、なぐさめと励ましの手紙を書いたのがきっかけで、文通が始まった。青沼との縁談が破れた阿佐子を力づけたのは野崎の便りである。野崎は自分の過去を打ち明けた。長崎で生まれ、十一歳のとき戦災で両親と兄姉を失った。孤児として収容されたが逃亡、放浪生活のすえ博多の愚連隊に身を投じた。船越、長谷部らの仲間と共謀し、特飲街の女富枝を足抜きさせ、大阪の旧友藤井の家にころがり込んだ。たちまち金に窮し、むかし亡父が面倒を見てやった長崎の角田夫婦に助けを求めたが、冷たい態度にカッとなり、ハンマーで殴り殺したのである。大阪での支社長会に随行した阿佐子は、藤井に会い、野崎の話を聞いた。一ヵ月後、五日間の休暇をとった彼女は博多刑務所で初めて野崎と会った。野崎はどんなに喜んだことだろう。鳥羽牧師も野崎を立派な青年だとほめ、有利な新しい証拠さえ出てくれば再審願が受理されるはずだといった。そこで阿左子は長崎へ赴き、長谷部に当時の状況を訊ね、被害者の遺族にも会ったが、船越だけはどこへ行ったか判らない。福井の教会では全国の教会によびかけ、助命歎願運動をしてくれた。今は野崎を深く愛する阿佐子はあらゆる障害を排して、彼の妻となり、婚姻届けを送った。しかし、荷物をまとめて博多へ立つ日、鳥羽牧師から「ノザキサンキヨウヘイアンニテンゴクニメサル」と電報で報らせてきた。東尋坊巌頭にいつまでも立ちつくす阿佐子は、博多の鳥羽牧師の施設で働こうと決心するのだった。

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