やくざ判官
劇場公開日:1962年7月13日
解説
「源九郎義経」の小国英雄と「若き日の次郎長 東海道のつむじ風」のマキノ雅弘が共同で脚本を執筆、マキノが監督した時代推理もの。撮影は、「恋や恋なすな恋」の吉田貞次。
1962年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年7月13日
ストーリー
本所横網の勘兵衛長屋には、浪人篠崎源左衛門とお京の父娘、人形師銀山、おこんの夫婦、羽織芸者小富、居合い抜き松下源造、飾り職太三郎、傘屋夫婦、駕籠屋八助と六助、若い浪人横山求女のほか、赤とんぼの文吉という新顔の男が住んでいる。小富は文吉に首ったけのくせに、顔を見ればケンカばかり……。ある夜、金貸しで強欲な家主勘兵衛が何者にか殺され、目明し八五郎は文吉を下手人とにらんだ。いつも「鬼勘は俺の手で眠らして、死骸にかんかん能を踊らしてやる」といっていたからだ。八五郎は、背中にサクラの刺青のある文吉をどこかで見た気がするが、どうしても思い出せない。すると、お京に好意を寄せている求女が、下手人は自分だと名乗り出た。勘兵衛を手にかけたのはお京の父源左衛門と思い罪を買って出たわけ。新米の町方同心原六之進は、長屋の住人を居酒屋に集めて吟味にかかるが、みんな勘兵衛に恨みのある連中で、誰が真の下手人やら皆目わからない。そんな最中、飾り職で錠前屋の太三郎が殺され、大騒ぎになった。八五郎はてっきり文吉の仕業とにらんで十手をつきつけた。が文吉は当身をくわせて姿を消した。まもなく、勘兵衛と太三郎殺の事件は、南町奉行直々の取り調べときまり、長屋の一同はお白洲に呼び出された。驚いたことに、奉行遠山左衛門尉とは、赤とんぼの文吉ではないか。いれずみ判官金さんの明快な裁きで、犯人は逆臣大塩平八郎一派の残党で、同心になりすました江戸軍資金調達の首領大原六左衛門こと原六之進と判った。勘兵衛はその一味だったが、金に目がくらんで裏切ろうとして殺されたのであった。