閉店時間

劇場公開日:

解説

読売新聞連載有吉佐和子の原作から「うるさい妹たち」の白坂依志夫が脚色、「黒蜥蜴(1962)」の井上梅次が監督したB・Gもの。撮影もコンビの中川芳久。

1962年製作/99分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年4月18日

ストーリー

紀美子、節子、サユリの三人は、同じ高校から東京デパートへ入社した仲良しだ。紀美子は呉服売場、節子は食料品売場、サユリはエレベーターと三人とも職場は違うが、短かい休憩時間を利用してはお互の悩みを話し合うのだった。真面目だが勝気な紀美子は女性は男性と対等でなければならないと信じている。だから新入社員の生方誠が、ことごとに女性を軽蔑したそぶりを見せるのが我慢出来ない。紀美子は何かと生方に対立するが、いつしか恋に発展して行った。一方、節子はいたって家庭的な女の子、生活の充実を漠然と求めて働いているうちに食品会社の出張社員竹井と知り合うようになった。今時珍らしいほど堅実な青年である竹井を節子はだんだん好きになった。だが、食品売場の主任はこの二人の仲を良く思わなかった。問屋の店員とデパートの売子が交際するのはいけないというのだ。何かにつけ竹井に言いがかりをつける主任をみると、節子は、憤りを感じないわけにはいかなかった。エレベーター係のサユリは恋愛を自由に楽しむ主義、閉店時間になると派手な化粧をして夜の街へとび出すのだ。そのうち彼女は宣伝部の畠と知り合った。妻子のいる彼と恋を楽しむサユリ、だが、そんな彼女でもふっと淋しくなることがあった。やがて畠は彼女に内証で姿を消した。派手好きなサユリはもうデパートにいやけがさし、とうとうバーにくらがえしてしまった。節子は主任にいじめられながらも、竹井をかばい、二人の健康な家庭を築こうと未来に夢をはせるのだった。また、紀美子と生方はけんかしながらも相手の良さを知るようになり、売場主任の仲人で結婚することになった。あわただしい閉店時間、彼女たちはそれぞれの生活へと解放されて散っていくのだ。

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スタッフ・キャスト

監督
脚色
白坂依志夫
原作
有吉佐和子
企画
藤井浩明
撮影
中川芳久
美術
間野重雄
音楽
中村八大
録音
橋本国雄
照明
久保田行一
編集
鈴木東陽
スチル
椎名勇
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映画レビュー

4.03度目の鑑賞

2024年7月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

若尾文子映画祭(2015年と2020年)の映画館で2回観た作品で、購入DVDで3度目の鑑賞🎥 DVD特典映像の予告編は初めて観たが、「BGたちの物語」をやたらと押し出している。 (※)BGは当時のビジネス・ガールの略だが、既にOLに取って変えられている死語。 この映画、デパート売り場を舞台にした気楽に楽しめる恋愛映画。オープニングロールのマネキンの使い方が上手かった。原作は、有吉佐和子。 3組の男女の恋愛を描いているが、それぞれ売り場の同僚・デパート店員と卸業者・デパートのエレベーターレディと〇〇〇(ネタバレになるので秘密)といったパターンでの恋愛ドラマ。 若尾文子は和服売り場で生きがいを感じながら売り子をしているが、そこに新米社員の男(川口浩)が来て、「女のくせに…」などという川口浩の発言から二人は口論になる。 しかし、若尾文子と川口浩という共演多数の二人なので、「この二人、結局はいつもどおり恋仲になるんだろうなぁ~」という気持ちになり、観ていて安定感あり😄笑 野添ひとみはデパ地下の惣菜売り場の売り子。惣菜を納品する男(竹村洋介)と身分差のある恋をして… 江波杏子は派手なエレベーターガール。ボーイフレンド多数で何かと話題になるが、デパート宣伝部の男(川崎敬三)とイイ仲になるが…といった感じの娯楽作。 コメディタッチの物語の中で、潮万太郎(デパート管理職員)があちこちを歩き回って、様々な売り場で楽しい会話するのが瀟洒であった。 映画タイトルの「(デパート)閉店時間」の照明の使い方が上手く、「閉店でございます」のアナウンスと共に、次々とライトが落とされていくが、マネキンを照らす光が微妙に暗くなる様子、売り場全体のライトが減りつつ、そこにいる若尾文子と川口浩の姿はグッドな描写であった。 ただ、贅沢を言えば、ヒッチコックの『裏窓』でグレース・ケリーが一歩一歩進む度にスポットライトが当たる……というようなチョットした工夫が欲しかった気がした。 この『裏窓』の照明効果は映画館やDVDでは分からなかったが、Blu-rayで鮮明なる印象を受けたもの。⇒キネマ旬報にも同じことを書いている人がいた。 当時のデパート社員どうしの用語(「ゴハチ」…5×8=40から「シジュウ」、つまりしじゅう来る客のこと…など)が楽しかった🙂 笑える場面が多くて、なかなか楽しい娯楽映画 (^^)

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たいちぃ

3.56時に閉店しちゃうんだねデパート

2020年3月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

若尾文子・野添ひとみ・江波杏子の3人がデパートに勤務するBG(ビジネス・ガール)に扮する恋愛コメディ。脚本は『最高殊勲婦人』も書いてる白坂依志夫。1962年(昭和37年)製作。 時代背景は大きく違うが恋愛や職場環境に悩む姿が現在とさほど変わらない。特に職場でのハラスメント・男女差別など今とでんでん同じじゃんって思った。 とはいえ重い話ではなく三者三様の生き方をスピーディーに描いたロマコメの快作。 どちらかといえばあややより他の2人の方がキャラもエピソードも立ってた。でもラストのシークエンスがお洒落なので許そう。 よく文子とコンビを組んでる川口浩が今作もお相手。(よく見るのでなんだか好きになってきたよ川口浩が) 気楽に見れて楽しめる娯楽作でした。

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散歩男

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