晴子の応援団長

劇場公開日:

解説

「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ」の高橋二三のオリジナル・シナリオを「雁ちゃんの警察日記」の酒井欣也が監督した喜劇。撮影は「二階の他人」の森田俊保。

1962年製作/28分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1962年8月5日

ストーリー

練馬鑑別所に腕にエンゼルの刺青を彫った「天使のマリー」と呼ばれる娘ペテン師が収容されていた。補導員の松谷先生も手を焼くズベ公だったが、根は純情で正義感の強い少女だった。ある日、そのマリーが脱走した。そして、彼女と瓜二つの高校生岡部晴子にめぐり逢った。晴子は両親に叱られて家出して来たのだった。家へ帰りたくないという晴子の言葉にマリーは、お互の服をとりかえ、マリーが晴子に、晴子がマリーに、変装してしまった。自動車事故で記憶喪失したと称して、うまうまと岡部運動具店に入りこんだマリーは「ネリカン」時代の癖がでて、ヒヤ汗の連続。しかし、人のいい辰吉、菊枝の夫婦は全然疑おうともしなかった。向いの前川食堂の一人息子俊介は、晴子の亡くなった兄一郎の親友で、共に城南大学の花形だったが、一郎は練習の無理がたたって急逝し、俊介だけがプロ球団のスカウトから追い廻される選手となっていた。それが辰吉、菊枝夫婦には面白くなかった。マリーの晴子は俊介との交際を禁止されるが、マリーは平気で俊介のために応援するのだった。そのマリーにとってしゃくなのは、城南大学の試合を必ず応援する美しい娘由美の存在だ。マリーは激しく由美と争った。そんなある日、俊介は外野フェンスに肩をぶつけてしまった。マリーは親身になって看護した。由美も外国製の薬を持って駆けつけた。そうしているうちに、優勝戦の日が近づいて来た。マリーも由美も早くからスタンドに詰めかけた。そんなところに、晴子が「ネリカン」から脱走して球場に駆けつけて来た。松谷先生もどちらがマリーかわからず目を白黒。やっとマリーを捕えた時、試合は最終回、俊介のホームランで試合は逆転した。熱狂するファンに囲まれている俊介を横目にみながら、「ネリカン」へ帰るマリーは、松谷先生と一緒に淋しくを出ていくのだった。

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